星野リゾート、1泊10万円の東京旅館に描く夢 「星のや」が、あのリッツを超える日は来るか

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今回「星のや東京」で狙うのは、2つの事業性の検証だ。まず、都市部から消えていった日本旅館というスタイルが、今の東京というマーケットでちゃんと顧客に支持されるかということ。そして、日本旅館は投資案件として、海外の高級ホテル並みの収益性を上げられるかという点だ。

星野氏は大手町旅館の先に、海外展開を見据えている。「リッツ・カールトンやマンダリンオリエンタルが運営するより、(日本旅館が高い投資)リターンが出すことができれば、パリやロンドン、サンフランシスコに行けるチャンスがくる」(星野氏)。

すでに「星のや軽井沢」や「星のや京都」などは一部の施設はGOP(償却費を除いた営業粗利率)で20%を超えており、外資の高級ホテル並みの利益水準を叩き出している。

海外の高級ホテルは利益率2ケタ

都心の⽇本旅館というスタイルで、世界の⾼級ホテルに戦いを挑む

ただ、たとえば香港にあるマンダリンオリエンタルは2014年度の売上高が815億円、営業利益率は17%に達している。一方、同年の星野リゾートの売上高は250億円、経常利益率は5%程度だ。

「まずは(東京という)都市で成功すること。都市で成功することをやらずして、海外では通用しない。その意味で『星のや東京』は、われわれにとってゴールではなく、海外に出て行くためのスタートラインだと考えている」(星野氏)。

「星のや東京」が失敗すれば、その後の海外展開は画餅となる。30年近く前、目の当たりにした失敗を踏まえて、世界に通用する”日本らしさ”をアピールすることができるか。星野氏にとっても大きな挑戦となる。

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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