Z世代の「就活も母と一緒に」は、甘えているわけではない⁉ 彼女たちが従来の母親以上に“優秀なメンター”なワケ

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就活だけではありません。いまや大学の入学式や会社の入社式にも、親が同伴する時代。ある組合の経年調査によれば、大学の入学式に「本人と家族が参加した」との回答は、2011年時点で5割強(52.9%)でしたが、2019年には8割弱(75.9%)にまで急増(全国大学生活協同組合連合会「保護者に聞く 新入生調査」)。このころには、入学式に参加を希望する親や祖父母が増えすぎ、あらかじめ「整理券」を配って入場制限する大学も顕在化しました。

その後、2020〜2022年には新型コロナの到来で、家族参加はいったん1〜2割台に減りましたが、2023年以降は再び上昇傾向。私が客員教授を務める立教大学でも、2025年度の入学式は「学生1名につきご家族など同伴者は2名まで」と制限を設けていました。

一方の入社式ですが、2023年のあるポータルサイトによる調査(対象10、20代)では、「入社した会社の入社式に、親が出席した」との回答が約7人に1人(14.4%)(Yahoo!JAPAN調べ)。驚くほど多くはないですが、私が入社した時代(1990年代)を振り返ると、ちょっと考えられません。

また例年、よく報道される「親同伴入社式」の一つに、お好み焼きのソースなどを手掛ける「Otafukuグループ」のものがありますが、ここでは新入社員が「お母さん、育ててくれてありがとう」など、親への感謝の言葉を読み上げるシーンが好評だといいます。

「親に甘えすぎ」なのか?

こうした状況を受けて近年、Z世代の若者に、上の世代の年長者がよく言うのが、「まったく、いつまで経っても『親に甘えすぎ』なんだから」。果たして、そうでしょうか。

そもそも、「親同伴」の入学式や入社式、あるいは「親子就活」が増えた一因は、Z世代の若者が「親に甘えているから」とは言い切れません。昨今の人手不足により、就活の「内定辞退経験者(1社以上辞退)」が6割を超える水準になり(63.6%/2024年 リクルートキャリア「就職プロセス調査」)、企業が「親を説得して内定辞退を防ごう=オヤカク」や「親にも入社式に来てもらい、離職を防ごう」などと考え始めた影響も大きいでしょう。

また、昔以上に親、とくに母親のアドバイスが的確になった可能性もあります。

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