「男性は下痢をしがちで、女性は便秘の人が多い」というイメージは、医学的に説明がつくのか?
また、胃のぜん動運動が弱いと、胃の中で食べ物が十分に分解されずに小腸に入ってしまうことで、消化不良による下痢を招くということもあります。ですから、胃腸が弱いという自覚があるなら、なおさらよく噛んで消化を助けてあげることが大切なのです。
下痢は、ここまで話したような原因だけでなく、他にも考えられる原因が色々とあります。腸内細菌も関係していますし、もっと重い病気が原因の場合や、そういったいくつかの原因が重なって起こることもあります。
ですが、確実に言えることもあります。それは、自律神経のバランスが悪い時、特に、交感神経が優位になり、副交感神経がうまく優位にならない時に起こる、ということです。慢性的にお腹の調子を崩しやすいという人は、自律神経を整えるような生活習慣を意識しましょう。
「便秘」にもおすすめ! 腸をカイロで温めよう
下痢だけでなく、便秘に悩む人にもおすすめの簡単な対策がひとつあります。それは、カイロなどでお腹を温めることです。
下痢の時には、温めることで激しくなりすぎているぜん動運動を少し抑えて落ち着かせ、お腹の痛みを和らげる効果が期待できます。便秘でお腹がひんやり冷たいような時には、物理的に温めることで体も心も緊張が解け、副交感神経が優位になってリラックスし、ぜん動運動が促されます。
温めるということが、交感神経と副交感神経、どちらを抑えるように働くかは、決まっているわけではなく、その時の体の状態、状況によって変わります。基本的には、より過敏になっている方に対して作用してくれるのだと思います。
実際に臨床の現場でも、腹痛を訴える人には、下痢でも便秘でも必ず温めます。最近では、夏場ほどクーラーや冷たい飲食物の影響でお腹が知らぬ間に冷えているという場合も多いので、意識的に腸を温めるようにしてください。
ちなみに男女で便秘と下痢の発症に差はあるのでしょうか。みなさん漠然と、男性は下痢をしがちで、女性は便秘の人が多いというイメージがあるのではないでしょうか。
女性は生理前にホルモンバランスの変化で便秘になりやすいという傾向はありますが、生理がスタートすると逆に下痢になるという方もいます。
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