ディフェンダー「オクタ」2000万円超の存在意義とは? 電動化を見据えたジャガー・ランドローバーのブランド戦略がここに
なにはともあれ、信頼感が持てるクルマになること。それがディフェンダーが続けてきたクルマづくりの結実であり、操縦している私たちがそれを感じられることこそ、オクタの真骨頂なのだろう。


控えめでない価格のワケ
先に、オクタの実車を軽井沢で目撃したとき、「控えめな印象を受けた」と書いた。しかし、少なくとも価格だけは控えめでない。
オクタの「エディションワン」は2224万円、通常モデルは2105万円もする。
ベースになったディフェンダー110のベース価格は855万円、おなじくランドローバーブランドの「ディスカバリー」は998万円からだ。
2020年に現行ディフェンダーが日本導入された際のベース価格は499万円。ディスカバリーの場合、初代は1994年に299万円で販売されたこともある。そんな事も思い出してしまった。ランドローバー車の上級価格帯への移行は、印象的だ。
「高価格への移行は、ブランドの戦略です」と、日本法人の広報担当者はいう。

ジャガー・ランドローバーは、2023年4月に「ハウス・オブ・ブランズ」戦略を発表。
従来とは異なり、ジャガー、レンジローバー、ディフェンダー、そしてディスカバリーをできるだけ個別のブランドとして扱う方針を表明した。
なので、ディフェンダーは、「ランドローバー ディフェンダー」でなく、あくまで「ディフェンダー」。フォルクスワーゲン・アウディとかBMWミニといわないのと、少し似ているだろうか。
「ディフェンダーのコンセプトは“タフ・ラグジュアリー”です。戦略的な価格で販売台数増を追うのでなく、プレミアムブランドとして確固たる地位を築くのが、ディフェンダー・ブランドの使命です」
それはなぜか。担当者があげたのは、電動化への布石だ。
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