ディフェンダー「オクタ」2000万円超の存在意義とは? 電動化を見据えたジャガー・ランドローバーのブランド戦略がここに

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よく回り、かつ回転が上がっていくにつれて、どんどん力が出る。そして5m近い全長をもつ車体を、強い力で押し出していくのだ。

オンロードを走ったあと、今度はオフロードでのドライブを経験。そのときは「オクタ」というドライブモードを選択。こちらはオフロード用のセッティングだという。

車高を上げ、トラックを広げ、ホイールアーチを拡大している(筆者撮影)
車高を上げ、トラックを広げ、ホイールアーチを拡大している(筆者撮影)

大きめの石がごろごろする砂利道が、オクタにとってのドライブコースだった。屈曲もあるし、上り下りも連続する。

そこを2000万円超のクルマで走るのには、やや気分が臆する思いだった。が、正確なステアリングと、つねに路面の情報が手に伝わってくる設定のため、走り出してすぐ不安感は払拭された。

不安を抱かせない「走破性」

オクタ・モードの狙いは、高い走破性の確保にある。オクタは渡河水深が、通常モデルのディフェンダーの上をいく100cmと、かなりなものだ。

オクタのいう「走破性」とは、不安なく、望んだペースで悪路だろうとなんだろうと前へ進んでいけることを意味しているようだ。

長めのスパンをもつサスペンションアームと電子制御のダンパーを利用しながら、4つのタイヤをしっかり地面につけて走る。

最適の駆動力がかかるようにすると同時に、タイヤの向きをつねに整える。それによって、急な加減速でもドライバーに不安を抱かせないで走っていられるのだ。

ステアリングホイールのドライブモードセレクターで「ダイナミック」やオフロード用「オクタ」のモードがえらべる(写真:ランドローバージャパン)
ステアリングホイールのドライブモードセレクターで「ダイナミック」やオフロード用「オクタ」のモードがえらべる(写真:ランドローバージャパン)

オクタ・モードでは、急にアクセルペダルを踏み込んでも、後輪が空転するような大トルクがかかることはない。車輪がグリップを失わない、つまり路面に力が伝えられることが重視されている。

着座位置は高く、見晴らしはよい。「コマンドポジション」といい、特にオフロードなどで的確な判断を早くくだすためには、高い位置から広い視野を確保することが大事、という考えによるものだ。

素材感や色づかいにもすぐれていて、室内は居心地がすこぶるよい。

Android Auto™とApple CarPlay®に対応する13.3インチのタッチスクリーン(筆者撮影)
Android Auto™とApple CarPlay®に対応する13.3インチのタッチスクリーンc

多くの操作は、モニター内で行うようになっている。物理的操作類として残っているのは、エアコンの温度調節機能だけだ。

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