「女にできる仕事じゃない」と言われて火がついた…老舗豆腐店・4代目が継いだ父の“頑固一徹な味”と挑む“新たな売り方”

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

しもだお豆腐店は、高知駅から市電「とさでん」に乗り4駅目、「はりまや橋」の次の「梅の辻」から徒歩5分ほどの閑静な住宅街にある。明治40(1907)年創業、高知県で最も古い豆腐店だ。地元・四万十町産をはじめとする厳選した大豆と黒潮町のにがりを使い、加熱処理をしない昔ながらの製法で、職人が一丁一丁手作りしている。

看板には明治42年創業とあるが、最近になって明治40年創業だということが判明したそう(筆者撮影)

高知で最も歴史のある豆腐店の新たな一手

しもだお豆腐店について詳しく紹介する前に、まずは自動販売機を見ていこう。

販売されているのは、「ほんとの豆乳」(350ml/240円)、「もめん豆腐」(400g/220円)、「卵とうふ」(110g×2パック/220円)、「大豆のぱうんどけーき プレーン」(720円)、そして他社の商品にはなるが「おから茶」(180円)。自動販売機は24時間稼働しており、支払いは現金のみとなっている。

自販機は、豆腐を思わせるような優しいベージュの色合いで塗装されている(筆者撮影)

最も売れるのは豆乳だ。しもだお豆腐店の自動販売機は1商品最大10個まで入れられる仕様。豆乳は2列分、つまり20個を、毎日店舗閉店後の14時頃に補充するが、特に定休日の翌日はほぼ完売になっているそうだ。

「特に最近は豆乳の売れ行きがよくなってきていますね。1カ月ほど前にも『いつ行っても豆乳が売り切れている』というお叱りのお電話がかかってきました。うちのお店は中心部から離れているので、おそらく1週間分まとめて買ってくださる方がいるんじゃないですかね。いつも売り切れているわけではないので、タイミングが悪かっただけだと思うのですが、申し訳なかったです」

しもだお豆腐店の豆乳は、「ほんとの」と銘打つだけあって、大豆とお水だけでできている無調整豆乳。大豆の味がしっかりと残り、市販の無調整豆乳よりも濃厚で甘い。たんぱく質やイソフラボンも多く含まれている。一度「ほんとの豆乳」を口にすると、ほかの豆乳では物足りなくなるというお客様も多いという。

次ページ自動販売機での販売を始めた理由は?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事