「15分から勤務OK」「出退勤自由」愛知・春日井の《働き方が自由過ぎる》カフェに人が集まる理由とは?きっかけはオーナー自身の子育て経験
「店は2022年5月にオープンしました。その頃、長女が上司からのパワハラが原因で会社を辞めて、怖くて次の職場へ行けないという友達と電話で話しているのが聞こえてきて、『仕事をしていないなら、ウチの店を手伝わない?』と誘ったんです。
その友達が働くことはありませんでしたが、それが15分勤務のヒントになりました」(小栗さん)
勤務時間は3女と相談
勤務時間は、当時中学2年生の3女と相談して決めた。3女からは10分と言われたが、出勤して着替えたり、手を洗ったりしたらそれくらいの時間は経ってしまうことから15分にした。
15分働けば、愛知県の最低賃金である時給1077円の1/4の270円が賃金として支払われる。働きたいと思ったときにすぐに対応できるように出退勤も自由にした。
小栗さんはまず、友人の息子で高校を自主退学後、ひきこもりになった21歳の青年に声をかけた。看板犬のオリバーの散歩からはじまり、慣れた頃に皿洗いなど店の仕事をさせた。
また、不登校の中高生たちにも職場体験の機会も提供した。この日は16歳と19歳の若者が厨房でコーヒーのペーパーフィルターを折ったり、店内を掃除したりしていた。

昨年10月から12月までここで働いていた24歳の女性に話を聞くことができた。彼女は高校卒業後、芸大へ進学したものの、雰囲気に馴染めず2年生のときに通信制の大学に編入した。コロナ禍だったこともあり、外出して友達と遊んだりする機会がほとんどなくなった。
それでも何とか環境や自分自身を変えようと、アルバイトに応募するも、すべて断られてしまい、すっかり自信をなくしてしまった。大学は卒業したが、就活にも積極的ではなかったため、家に引きこもった。
半年が経とうとしていた頃に店のボランティアスタッフと知り合いだった母親から、ここで働くことを勧められた。
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