「歯科衛生士が31名の大陣容!」治療から予防へ重点《歯のサブスク》を仕掛けた歯科医院が凄すぎた

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また、「指導」ではなく、あくまで「体験」として患者に感じ取ってもらうことが重要だと、髙橋理事長は語る。

「しん治歯科医院では、歯科衛生士が、患者さんに対して歯ブラシ1本で隅々まで丁寧に磨く体験を提供しています。歯磨き粉をつけなくても、歯がツルツルになることを知ると、『自分も』というやる気が生まれ、より予防に取り組もうという意識が高くなります」

予防を求めてリピートする患者は増えていき、しん治歯科医院は徐々に規模を拡大していくことになる。予防歯科のボリュームが増えていくということは、歯科衛生士の出番が増えるということを意味する。ここにもう一つ、しん治歯科医院が躍進するヒントが隠されている。

歯科衛生士は、歯科医師の指導の下、「歯科予防処置」「保健指導」「診療補助」「口腔機能訓練」などを行うことができる、歯科衛生士法に基づく厚生労働大臣免許の国家資格を有する職業である。

しかし、そのことを知っている人はどれくらいいるだろう? アメリカでは、歯科衛生士は歯科医師と対等な立場であるにもかかわらず、ここ日本では歯科医師をサポートをする存在として考えられがちだ。

歯科医師をサポートする職種は、あくまで歯科助手。歯科衛生士は国家資格保有者であるのに対して、歯科助手は無資格でもなることができる。歯科衛生士以上の資格がないと、口の中に手を入れることすらできないということを知らない日本人は、多いのではないだろうか。

歯科衛生士は割に合わない仕事?

興味深いデータがある。しん治歯科医院では、理事長の長男である髙橋翔太氏が、歯科業界専門のコンサルタント事業を手掛けているのだが、全国の616人の歯科衛生士にアンケートを取ったところ、72.2%が「現在の業務に不満がある」と回答したという。翔太氏が説明する。

「歯科衛生士は、国家資格者であるにもかかわらず、給料が安く、休みも取れないうえに、歯科医師のアシスタントとしての仕事や雑務ばかりすることが珍しくありません。『本当は、歯周治療や予防歯科の仕事がしたい』と考えている歯科衛生士は多い。治療がメインの歯科医院では、どうしても歯科医師が主役になります。しかし、お口の健康を維持する予防の仕事は、歯科衛生士が主役になれる専門分野です」(髙橋翔太氏)

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