「歯科衛生士が31名の大陣容!」治療から予防へ重点《歯のサブスク》を仕掛けた歯科医院が凄すぎた

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広々した院内に、歯科衛生士さんがずらり。大勢の患者さんが予防を受けに来る(筆者撮影)

「ママ、まだかなぁ~?」

子どもが尋ねると「あとちょっとだよ」と笑って我が子を母親があやす。あちこちからにぎやかな声が聞こえてくる歯科医院が存在する。

香川県高松市にある人口約1万7000人の旧牟礼町。中心地の高松駅からは電車でおよそ30分ほどの場所に、デンタルチェア21台、所属する歯科医師9名、歯科衛生士31名の医療体制を整える「しん治歯科医院」はある。

辺りは、一面のどかな風景が広がるが、午後ともなると30台ほどとめられる大型駐車場が満車になることも珍しくない。緊張感が漂う歯科医院の待合室からは想像できないほど、同医院には老若男女が訪れ、牧歌的な雰囲気を作り出す。

しん治歯科医院の売り上げを知ると、さらに目を丸くする。単院にもかかわらず、その額、なんと8.3億円。2023年の厚生労働省の医療経済実態調査によれば、単院の歯科医院の平均年商は、およそ4700万円。この数字を鑑みれば、しん治歯科医院の盛況は明らかだろう。なぜ、人口が少ないエリアで、これほどまでの売り上げを立てることができるのか――。

人口約1万7000人の旧牟礼町にある「しん治歯科医院」。単院とは思えない規模を誇る。(筆者撮影)

進んで通いたくなる場所になるために

「歯科医院は、歯が悪くなって、仕方なく行く場所だと考えられています。もっと言えば、歯科医院は嫌われる対象になりがちです(笑)。私はそこに疑問を覚え、改善できないかと考えました。患者さんの『もっと健康になりたい』という想いを叶えることができる場所にしたかったんです」

そう語るのは、しん治歯科医院を開業した髙橋伸治理事長。“敬遠されがちな場所”である歯科医院を、“自ら進んで通う場所”へと変えたことが躍進の理由だと続ける。そのカギとなるのが、「多くの歯科医院は治療をメインにしていますが、我々は予防にも重点を置いています」という髙橋理事長の言葉だ。

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