クイズ作家・日髙大介(47) ≪パニック障害≫でセンター試験は途中帰宅し、仕事も次々降板…“ライオン16頭に囲まれているような恐怖”を語る

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──かなりしんどい状況だったのですね。

パニック障害は、脳の機能的な異常によって引き起こされる病気と言われています。症状がガッと出ているときは、サバンナに1人だけ取り残されて、周りを16頭くらいのライオンに囲まれているのと同じくらいの恐怖を感じるホルモンが、脳内で分泌されていると聞いたことがあります。

──想像するだけで恐ろしいです。

あの時の僕はまさに、周りから一気にライオンに狙われているような感覚に陥っていました。しかも、体感では50頭くらいの恐怖でしたね(笑)。息も絶え絶えの状態で近所の病院に駆け込んだものの、午後の診療が始まる15分前で。薬局の方に「先に処方箋をもらえませんか」って必死に頼んだのですが、できるわけもなく。あの症状は本当に「生き地獄」そのものです。とにかく我慢に我慢を重ねてその場でうずくまっている状態でした。

受付の方から「横になってもいいですよ」って言われましたが、僕の場合はそうすることで改善するわけではなかったので、とにかく耐え抜きました。結果的には、処方薬を飲んだら治りまして事なきを得ました。あのときの経験から、「パニック障害は治るとは聞いていたけれど、再発することもある。決して油断してはいけない」、そう認識しています。

パニック障害に躁うつ病やADHDを併発、仕事も降板

──学生時代を終えると、クイズ作家としてメディアなどに出演される機会も増えましたが、パニック障害と向き合いながら仕事を続けるうえで、一番大変だった時期はいつでしょうか?

僕はパニック障害を発症して30年近くになりますが、実は2006年に心療内科で「うつ病」と診断されました。後にそれは「双極性障害(躁うつ病)」だとわかるのですが。他にも、さまざまな不安症、ADHD、睡眠障害……などなど。パニック障害も含め、メンタルヘルスは「心の病」だと思われがちですが、実は自律神経と脳の病気なんですよね。僕は割と数多く経験してきたほうだと思います。そう見えない、とよく言われるのですが(笑)。

一応、それぞれ診断名がついていますが、あくまでも僕の経験上、それぞれの病気には、はっきりとした壁はないと感じます。これらの併発がきっかけで、2015年にはクイズ作成をしていた『優しい人なら解ける クイズやさしいね』(フジテレビ系)や、2016年には『くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館』(テレビ朝日系)などのテレビ番組をはじめ、9割方の仕事をダダダっと降りました。

日高大介さん
「当時、理解してくださった方々には感謝しかないですね」と日髙さん(撮影/今井康一)
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