「ホテル高いな…そうだ、ローソンに泊まろう!」 コンビニの「車中泊施設」参入が”納得”の理由と、乗り越えるべき2つの重大課題

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コロナ禍における車中泊のメリットは、パーソナルスペースを保ったまま、窓を開けて空気を入れ替えつつ移動ができること。かつ、ホテルへの宿泊と違って、チェックイン・食事時間を気にせず、気が向いたら日帰り温泉に行ったり、空き地に停車して星を眺めたり……「ゆったりできる空間」「自由度」があるからこそ、コロナ禍後に車中泊の人気が高まった。

さらに、ホテルに泊まりたくても、インバウンド観光客の増加で料金の高騰が著しい。特に関東では、「2022年:8710円→2023年:1万6556円」と急騰した都内ホテルの客室単価に引っ張られるように、周辺地域でのホテル値上げが連鎖で発生。もはや、一泊数千円で泊まれる施設を探すことすら難しい。

なら、そのまま車中泊したほうが良いのでは? と考える旅行者がいても、おかしくない話だ。

ただ、車中泊の需要に対して「駐車場所の確保」は追いついていない。最近は「宿泊行為禁止」の看板を掲げる道の駅も多く、キャンピングカーで車中泊しようにも「クルマの駐車場所がない」という問題を抱える。車中泊施設「RVパーク」はこういった需要にこたえ、駐車場所や電源・水道・トイレなどを提供。場所によってサービスに違いはあるものの、安心して車中泊できる環境を提供し、近年は全国に500カ所以上の拠点を持つまでに急成長してきた。

「RVパーク」の多くは道の駅・日帰り温泉・飲食店の駐車場の一角にあり、利用者の多くは目の前にある施設で食事や温泉を楽しむ。土地を提供する側は売り上げアップと「RVパーク」の収入を得ることができ、車中泊ユーザーは料金を払って駐車場を確保できる。双方にトクがある“Win-Win”な関係だ。

ローソンの車中泊参入がオイしい理由 「空き駐車場活用・スキマビジネス」

ローソン 高知県 伊野駅前店
住宅街に囲まれた立地のローソン。写真は、映画「竜とそばかすの姫」にも登場した高知県・伊野駅前店(筆者撮影)

そしてローソンは、この「車中泊」需要に目を付けた。

なにぶん、ローソンは国内に約1.5万店のコンビニ店舗を展開、駐車場もそれなりに所持している。特に、観光地に近いバイパス添いの店舗は広い駐車場を有しており、その一角を活用すれば、追加の土地を取得することなく「RVパーク」を設置できる。かつ、予約などはオンラインで済むため店の負担は少なく、利用者がお弁当・レジャーグッズなどを買ってくれれば、実販アップも見込める。

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