火災、地震、事故、金利上昇…「賃貸で儲けたい」人が知っておきたい"落とし穴"の対処法

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●金利上昇リスク

収益不動産を購入する方の多くが金融機関から借入をするため、物件の利回りだけでなく、借入金利も重要な指標です。もし借入金利が上昇すると、返済額が増え収支が悪化してしまうからです。

厳密には間違っていますが、少し乱暴な言い方をすれば、保有期間中の税金を引かれる前の手取り収入(税引前キャッシュフローといいます)は、物件の利回りと金利との差によります。

金利が上昇すると、最悪の場合は毎月の賃料収入より、返済金額が大きくなる状況に陥ります。金利動向は不動産投資を行ううえで、常に意識しないといけません。

金利上昇リスクに対し、不動産投資家が取れる対策は「自己資本比率を上げる」「固定金利を選択する」「賃料を上げる」の3つです。教科書的な対策と思うでしょうが、金利のコントロール自体はできませんので、仮に上昇した場合でも影響を少なくすることが対策となります。

入居者が亡くなった場合

●事故リスク(死亡事故)

収益不動産を保有していると、入居者が亡くなるケースが発生することがあります。他殺・自殺・孤独死の3つのパターンがあります。特に他殺の場合、事件が報道されると風評被害が建物全体に広がり、入居者の一斉退去や賃料の大幅な下落といった損害が生じる可能性があります。

さらに、亡くなった方の部屋の原状回復工事も必要になります。

自殺や孤独死の場合は、他殺ほどの影響はないものの、賃料の下落や発見の遅れによる原状回復費用の負担が発生します。

リフォームの費用には幅がありますが、単身者向けの物件で壁・天井・床の全面改修(壁ボード含む)を行うと、最大で200万円近くかかることもあります。

最大の問題は、入居者を再募集する際に、それまでの賃料水準では希望者が見つかりにくくなることです。

いわゆる「事故物件」については、国土交通省が2021年に策定した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」により、「取引の相手方の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合には、これを告げなければならない」と定められました。

老衰や持病による自然死は原則として告知義務はありませんが、それ以外の死亡事案については、宅地建物取引士が入居希望者に説明する義務があります。これにより、事故物件となった場合の入居付けの難航や、相場水準での賃料設定の困難さが課題となります。

収益不動産において、賃料の低下は物件価値の下落に直結します。具体例を見てみましょう。

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