大好きだった夫の死で、狂った老後の人生設計――これからどう生きていくか、悩みはつきない《くらたまの「人生後半 独り旅」連載 第1回》
私がイメージする老後の生活の中には、必ず夫の姿もありました。だって、私たち夫婦はとても仲がよかったから。夫婦ゲンカなんて、一度もしたことがないほど相性がよかったから。子どもが巣立っても、私たちはずっと2人で一緒にいるんだと思っていたから、です。
でも、そんな老後が叶わなくなってしまいました。
それどころか、老後までまだ時間のある50代前半で独りになってしまって、私は呆然としました。
夫がいなくなった直後から数カ月の間は、ただ悲しみに暮れるだけの日々でしたが、段々と夫のいない生活に慣れてくると悲しみとはまた別の、孤独感のようなものにさいなまれるようになりました。
これから、どうやって生きよう。
夫のいない人生を、どう過ごしていこう。
現在、高校生の娘が成人するまではシングルマザーとしての役割がありますが、それもそれほど長い期間ではありません。目の前の仕事をこなしていくのは生き甲斐でもあり、続けていきますが、さりとてそれだけで人生が埋め尽くされるわけでもないです。
行き先を失った船のように、舵取りに往生してしまっています。
とはいえ、時間は容赦なく過ぎ去ります。
夫がいなくなって1年が過ぎる頃から、なるべく積極的に外に出て人に会うようにしてきました。人に会う、これは気持ちを上げる有効な手段の一つです。
行きつけの喫茶店に行って顔見知りの店員さんとちょっとした言葉を交わすだけでも、気分は変わってくるものです。
麻雀大会に行ってみよう
先日は、とある麻雀大会に参加しました。
雀荘でアルバイトしたり麻雀漫画を描いていた20代後半の頃は、時折参加する機会がありましたが、近年はすっかり麻雀から離れてしまっていたため、呼ばれることもなくなっていました。
「私は仕事で行けないので、よかったら出ますか」と知り合いが言ってくれたので、少し気後れもしましたが、参加することにしました。
60人超えの大人数での大会当日、緊張しながら会場のドアを開けました。ほとんど知り合いもいないはずだし、ここ10年くらい麻雀は年に一度するかしないか程度。でも、会いたい人が1人、来るという情報を聞いていたことが参加への背中を押してくれました。
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