キャサリン妃が直面する英国版「嫁いびり」 エリザベス女王との深刻な確執
国民の反応は割れている。「キャサリン妃は結婚前からこれという仕事に就かなかった。本来、怠け者だ」「王室に入った自覚に乏しい。女王の批判はもっともだ」「妃は育児が大変だと言うが、ナニー(乳母)など助けてくれる人は多くいるはず」と女王に賛成の意見がある一方で、「助けてくれる人はいても、母親しかできないことは多く疲れは激しい。たまの楽しみは大目に見てもいいのではないか」「女王と妃の年齢差は半世紀以上ある。ジェネレーションギャップが大きく、価値観が違うのだ」「女王も退位して若い世代に譲る時期が来ているのではないか」などの声もある。
皇太子も苦言 遊び場作り釣る
女王との緊張関係のほかにキャサリン妃を追い詰めているのが、夫の父親チャールズ皇太子(66)の発言だ。皇太子は、妃の実家ミドルトン家の人たちがウィリアム王子一家にかかわりすぎることを苦々しく思っている。2013年にジョージ王子が生まれた時、病院で最初に孫との面会を果たしたのはミドルトン家の父親マイケルさんと母親キャロルさんだった。シャーロット王女誕生の時には、「皇太子は“また”2時間半後れを取るだろうか」とタブロイド紙に書きたてられた。皇太子は病院に行くことを避け、ケンジントン宮殿で孫娘に会っている。
ジョージ王子は誕生後、ミドルトン家に妃と共に1カ月以上滞在した。将来の王位継承者が一般家庭で育てられたのは英王室初である。シャーロット王女の場合はアンマーホールで暮らしているが、キャロルさんは泊まり込んで世話をした。皇太子は以前から長男一家の「ミドルトン化」を不愉快に思っていた。しかし「皇太子にはカミラ夫人がいるではないか」「ダイアナ元妃を大切にしなかった結果、寂しい老後を迎えただけ」との国民の冷ややかな声が上がったため、沈黙を続けていた。
しかし、待望の孫娘が生まれたのを機に「キャサリン妃は(実家ばかりと親しくて)、孫に会わせてくれない」という明確なクレームをついに口にするようになった。皇太子はハイグローブの邸宅にツリーハウスを用意して、孫が遊びに来やすいようにしたとアピールする。
ウィリアム王子とキャサリン妃の父親の間には、結婚時に「ミドルトン・ルール」と呼ばれる暗黙の契約が交わされた。それは公務のために家庭生活をないがしろにするような状況に妃をおかないという、男性同士の約束だった。しかし妃の耳に皇太子の苦情が入ったからには、実家と夫の実家のバランスに心を砕かざるをえない。これはロイヤルファミリーと一般家庭という違いもあり、容易ではない。