「でんぱ組.incに自分が入ってアイドルを続けるとなったときに、やっぱりメンバーもそうだし、ファンの方、スタッフの方、いままで関わってくれた方に『もっと恩返しをしなきゃ』っていうのがあったんです。『ベボガ!で叶えられなかった夢をでんぱ組.incで叶えて恩返しをしたい』っていうのは思っていました」
それからは毎日のように注意されながらも、歌とダンスを覚えてメンバーとして受け入れてもらえるように必死にがんばった。
ほかのメンバーと比べられることもよくあり、正直、ツラいことも多かった。それでも、アイドルを志したあの頃、「自分も変わりたい」と思わせてくれたでんぱ組.incのメンバーでいることは幸せだった。

アスペルガー症候群であることを告白
そしてもうひとつ、鹿目は自分自身を変えるためにある決断をする。
アイドルとして8年目の頃、自身がアスペルガー症候群であることをブログで告白したのだ。
「10年前に言っていたら、自分のできないことも言い訳っぽく聞こえちゃってたと思います。でも時を経て成長したいまの私だったら、これまでできなかったことも、成長して、戦ってできるようになった。勇姿としてちゃんと言えるなって思ったから、このタイミングで話しました」
それまで親しい友人にも話さず「家族しか知らない秘密」として抱えて過ごしてきた。だが、自身の成長を感じ、いまなら言えると「ぽんっ」と感じたという。
そもそも、鹿目がそれを自覚したのは中学生の頃。朝起きられずに学校に行けない。そんなときに病院に行き、診断を受けて知ったものだった。
具体的には人の気持ちを想像できない、察することができないといった症状があり、アイドル活動の中でもそれによる苦労は絶えなかった。
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