大人がハマる《アンパンマンナイト》をご存じ? 夜に映画館で『アンパンマン』鑑賞がひそかなブームに! なぜ幼児向けアニメに心奪われるの?

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その背景について紙本部長はこう明かす。

「大人の方が観ても十分に見応えがある作品だというのは、当初からそう思っていました。その上で旧作に対する大人の反応も良かったので、だったら大人向けに観ていただくのもいいんじゃないかと。そういった意見が前作『ばいきんまんとえほんのルルン』の時に出て。まずは試しに試写会をやってみることになりました。ちょうど仕事終わりの大人が来やすい夜の時間帯ということで、19時半ごろスタートで。どうせやるならインパクトがあるように伝えたいということで思いついた『アンパンマンナイト』というイベント名にしました」

『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』
シリーズ最高興収を記録した2024年の映画『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』 ©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV ©やなせたかし/アンパンマン製作委員会2024

結果は好評で、試写会の歩留まり(招待した人数に対して、実際に来場した観客の割合)も95%程度を記録し、高い関心を持たれていたことがうかがい知れる。観客も20代から30代くらいの男性層が中心ではあったが、女性客の姿も多く見られたという。

そうした手応えをつかんだ上での「アンパンマンナイト」だったが、その好評を受けて、今年の『チャポンのヒーロー!』では公開初日から全国55館(7月4日(金)からは57館が追加され112館)で「アンパンマンナイト」が実施。20代のカップル、グループ層を中心に、30代、40代のひとり客、40代の夫婦、女性ペア客なども訪れていたという。

「なんのために生まれて、なにをして生きるのか」

チャポン
現在全国公開中の映画『それいけ!アンパンマン チャポンのヒーロー!』 ©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV ©やなせたかし/アンパンマン製作委員会2025

現在公開中の最新作『それいけ!アンパンマン チャポンのヒーロー!』は、原作者であるやなせたかしさんが作詞した『アンパンマンのマーチ』の歌詞の一節にもある「なんのために生まれて、なにをして生きるのか」を追求した1本となっている。

トムス・エンタテインメント制作本部第2スタジオの岩崎和義プロデューサーは「映画もテレビシリーズも、『アンパンマン』の持っているテーマは変わりません。映画は尺が長い分、テーマをより深く追っていけるということはありますが、映画だから特別なこと、なにか深いことを言おうということはないと思います」と明かす。

「あまり考えすぎると、大人向けになってしまうので。そこはちょっと意識しつつ。映画に関してはお子さん一人では観に来れないので、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に観るもの、というところは大前提。そこはバランスの問題ですが、特別深くしようと思ったわけではありません」(岩崎プロデューサー)

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