参院選に向けた絶好のアピールの場だったのに…、裏方だけが知る「党首討論会」の中身が残念すぎた根本原因

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今回の参院選は、248議席のうち、改選の124議席と東京選挙区の欠員の補充を合わせた125議席をめぐる争いとなる。

そもそも、3年ごとに実施される参院選は、全国45の選挙区の定員が75で、各党・政治団体が2日までに決めた選挙区候補者は「自民48・立憲29・維新15・公明7・国民22・共産28・れいわ12・参政45・保守5・社民6」となっている。この結果、選挙区での立候補者数は、3年前の前回を20人前後下回る見通しだ。

一方、定員50の比例代表には「自民31・立憲22・維新13・公明17・国民19・共産19・れいわ12・参政10・保守4・社民5」など、総計170人余りが立候補することになる。その中には「二馬力選挙」などで批判されたNHK党の3人、「石丸新党」とも呼ばれる再生の道の9人、チーム未来の3人も含まれており、その多くがいわゆる「SNS選挙」と言われるネット中心の活動を展開することになる。

与党は兵庫、立憲は宮崎で第一声

公示日の3日午前、全国各地で候補者の届け出作業が続く中、与野党党首はそれぞれ全国各地での第一声に臨んだ。

石破氏は阪神・淡路大震災から30年という節目を踏まえ、神戸市の公園で政権が重視する防災政策をアピールし、これに合わせるように斉藤氏も神戸市の別の場所で演説した。兵庫県選挙区は自公の現職を含む10人以上による激戦が予想されており、生き残りを懸けた自公の競り合いも予想されているからだ。

これに対し、野田氏は与野党候補のつばぜり合いが想定される宮崎県におもむき、同県国富町の水田地帯にある球技場でコメ政策を訴えた。同県は「コメは買ったことがない」と発言した江藤拓前農林水産相の地元で、野田氏もそれを意識した同県入りとみられる。また吉村氏は、本拠地の大阪市で「大阪から日本を変える」などと支持を呼びかけた。

一方、多くの党首は首都・東京でマイクを握った。田村氏は池袋駅前、玉木氏と日本保守党の百田尚樹代表は新橋駅前、れいわ・山本氏と社民党の福島瑞穂党首は新宿駅前で、参政党・神谷氏は銀座三越前で、多くの聴衆に大きな声で支持を呼びかけた。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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