1人で成長できてしまう時代に「助けてもらう技術」が重要な理由。ソフトスキルを無駄と切り捨てない人に見えている世界

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頼みごとをする際に緊張していても焦ってはいけない。いきなり本題に入るのではなく、小さな相談を挟むことで「頼まれる準備」を相手の心に仕込むことができる。この一手間が、単なるお願いを「協力的な関係づくり」へと変える。(158ページより)

会話の「最初の3分」は相手の話に集中

初対面の相手やひさしぶりに会う人との会話では、最初の3分間が大切。この短い時間に、親近感や信頼感がほぼ決まるといっても過言ではないのだ(PART 5より)。

そして、この3分間を最大限に活用するための鍵は、自分の話をするのではなく、相手の話に耳を傾けることにある。具体的には、次のようなステップで進めればいいようだ。

❶挨拶後すぐに質問をする

初対面の相手との挨拶直後はぎこちない雰囲気になりがちなので、「寒暖差が大きいですよね。御社のみなさんは体調いかがですか?」というように、相手が話しやすいテーマを提供する。

❷相手の話に耳を傾け、共感を示す

相手が話している間は、「なるほど、おもしろいですね。社員の反響はいかがですか?」などのリアクションを挟みながら相手の話を引き出す。

❸自分の話を控える

最初の3分間は自分の話を極力抑え、“待つこと”を意識する。

たった3分でも、相手に「この人は自分のことに興味を持っている。理解しようとしてくれている」と感じてもらえれば、その後の信頼関係がぐっと深まる。このワザはビジネスだけでなく、プライベートでも役に立てることができる。人は「自分に興味を持ってくれる人」に対して心を開き、自然と好意を抱くものだからだ。(246ページより)
なぜか助けてもらえる人の小さな習慣 チャンスと味方がみるみる増える
『なぜか助けてもらえる人の小さな習慣 チャンスと味方がみるみる増える』(東洋経済新報社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

もちろん、ここでご紹介したことだけがすべてではなく、本書ではさらに広範な“効果的な習慣”が紹介されている。しかも先述したとおり、どれもシンプルなものばかりだ。

たとえば著者の場合、ちょっとしたことばの使い方やタイミングを意識するだけで“協力してくれる人”が増え、仕事が楽になって、効果が出やすくなったそうだ。そんなところからもわかるように、「もっと周囲に応援される人」になることは決して難しくないのだ。

しかも、いますぐに大きく変わる必要もないだろう。大切なのは、きょうから試せる「小さな習慣」をひとつずつ積み重ねていくことなのだから。それを続けていけば、やがてその習慣がキャリアを大きく変えてくれることになるのである。

印南 敦史 作家、書評家

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いんなみ あつし / Atsushi Innami

1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。「ライフハッカー・ジャパン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」「文春オンライン」などで連載を持つほか、「Pen」など紙媒体にも寄稿。『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)、『先延ばしをなくす朝の習慣』(秀和システム)など著作多数。最新刊は『抗う練習』(フォレスト出版)。

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