「引退」「貨物船転用」「解体」も…40年選手も続々と引退する「古参フェリー」。次々と消えゆくのも必然なワケ

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解体前に乗船してみてはいかが

ここまで、「古参フェリー」が航路引退後も必要とされた事例を挙げてきた。しかし、こういった船は老朽化が激しく、大半の場合は「海外で解体」(通称「チッタゴン行き」)となる。

バングラデシュの港湾都市・チッタゴンは「船の墓場」とも呼ばれ、老朽化した大型船舶の多くはこの港に「ビーチング」(海岸線に直角で上陸)の上で、現地の人々の人海戦術によって解体され、船として生涯を終える。

引退した船が売却か、解体かといった情報はあまり公表されないが、「フェリーくるしま」に先だって2024年に引退した「フェリーはやとも2」の場合は、気が付けばAIS電波(一般的なアプリで受信できる)の船舶情報に「MATSUYAMA(松山観光港)→CHITTAGONG(チッタゴン)」を航海中である旨が記され、現地の沖合で電波が途絶えた。(最終更新が9カ月前)建造から40年近く経過した「くるしま」も、同様の運命を辿るのかもしれない。

今の快適な船旅もいいが、昔ながらの船旅も味わいがあっていい。「引退」「貨物船転用」「解体」となる前、フェリーとして現役のうちに乗船してみるのもいいだろう。

宮武 和多哉 ライター

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みやたけ わたや / Wataya Miyatake

バス・鉄道・クルマ・駅そば・高速道路・都市計画・MaaSなど、「動いて乗れるモノ、ヒトが動く場所」を多岐にわたって追うライター。政令指定都市20市・中核市62市の“朝渋滞・ラッシュアワー”体験など、現地に足を運んで体験してから書く。3世代・8人家族で、高齢化とともに生じる交通問題・介護にリアルに対処中。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅(既刊2巻・イカロス出版)など

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