【合計342歳】79歳、83歳、89歳、91歳の四姉妹で守る《まるで実家のような》創業70年の喫茶店──“思いつき”で始めた店がみんなの居場所になるまで

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兵庫港で働く人のリクエストで生まれたフルーツジュース(筆者撮影) 

朗子さん考案のフルーツジュース(800円)も頼んだ。フルーツと細かく砕いた氷をミキサーに入れて作る。ミックスジュースにスムージーの食感を足したようなとろみがある。濃厚で栄養満点。レシピは企業秘密らしい。 

頼んだメニュー以外にお菓子が出てくるのは当たり前。四姉妹のご飯もお裾分けしてもらえる。 

さらに来店記念の写真撮影サービスがあり、その場で印刷してプレゼントしてくれる。 

「息子がプレゼントしてくれたデジカメとプリンターを使って始めたサービスです。印画紙、インク、必要なものは息子が送ってくれるから私は撮るだけ。ボケ防止になるし、お客さんは喜んでくれるし、一石二鳥」と紀久恵さんは笑いながら言った。 

来店したお客さんの写真をアルバムにまとめて保管している(筆者撮影) 

全国各地から四姉妹に会いに来る客が  

女性客が二人で入ってきた。一人は常連客らしい。ベンチシートに腰掛けるや否や「珍しい面白い店があるからって、友達を連れてきてん」と紀久恵さんに話しかける。「いつつぶれてもおかしくない萎びた店やろ」と紀久恵さんが返す。 

一人の若い女性客がやってきた。「どこから来たの?」「ここに座って」紀久恵さんが畳みかけるように話しかける。 

なんでも彼女は東京からわざわざ来たそうだ。「大阪・関西万博のついでに、気になっていた思いつきに寄りました。お二人の人柄に癒やされるし、他のお客さんとの会話も楽しい」と教えてくれた。 

東京から来たお客さんと記念撮影(筆者撮影) 
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