「北川景子に凄みが出てきた…」ドラマ《あなたを奪ったその日から》での好演で話題! 人気女優が“誘拐犯役”を必ず通るのはなぜか?
美海(一色香澄)はすくすく育ち、紘海にとってかけがえのない娘になっていた。が、偶然、再会した旭が、灯の命を奪っておきながら、何事もなかったかのように復活を遂げていることを知って許せない感情がもたげる。素性を偽って結城の新たな会社に入り込み、真相を探ろうとする。
実際に接してみた旭は案外いい人で、気持ちが揺らぐ紘海。やがて、美海が萌子であることが、旭にも、美海当人にも明らかになるときが来た。それが第9話。アレルギー事故の真相もわかる。

かいつまむと、すべては親子愛が生んだ悲劇であった。
旭、その元妻・江身子(鶴田真由)、長女・梨々子(平祐奈)が3人そろって紘海に土下座して謝罪。これで次回・第10回は最終回で、親子愛でまとめて大団円になるのかと思ったらーー。
紘海がいきなり豹変する。
「なんなんですかこれ やめてください やめて!」
「あなたがたは終われても私はずっと終われないんです」
次回は最終回ではなかった。まだあと2回あるから、確かにこれでは終われないという冗談はさておき。結城家は謝罪したことで罪悪感がなくなるかもしれないが、紘海はそれでは済まない。亡くなった灯は帰ってこないのだからと結城家を激しく責めはじめ、こうして事態は振り出しに戻ってしまった。
灯を失った絶望はどんなに時間が経っても埋められない。何度も何度もぶり返す。そのうえ紘海には結城家を責められない理由がある。萌子を誘拐したという罪の後ろめたさがあるかぎり、決して心は晴れないのだ。

これまでヒットした「誘拐もの」とは違う
主人公が子どもを誘拐し逃亡生活を送る「誘拐もの」。
過去、角田光代のベストセラーを原作にした映画とドラマ『八日目の蝉』や坂元裕二のオリジナルドラマ『Mother』など、誘拐ものにヒット作あり。テッパンジャンルと言ってもいいだろう。
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