「何のために」スポーツをするのかが重要だ 「何となく」やっていては成果は出ない

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こんなことを考えている人は少ないかもしれないが、筆者は自分なりに考える必要があると思う。なぜなら、野球のために努力してきたことが、野球でしか生かすことができないとしたら、それは非常にもったいないからだ。

筆者が考える、自分が「走る」理由

せっかくスポーツを真剣に取り組んできて、よき仲間と出会い、すばらしい経験をしたとしても、ただの青春時代の思い出で終わっていいのか。野球は野球のためだけではなく、サッカーはサッカーのためだけではなく、陸上は陸上のためだけではなく、野球のノウハウを勉強に生かせたとしたらどうだろう。また、サッカーでの成功体験をビジネスに応用できるかもしれない。このように多角的に展開できるような指導を、学校側はすべきだと思う。

本コラムは「走る」ことをメインテーマにしているが、筆者はなぜ自分が走るのかを理解しているつもりだ。まずは純粋に走るのが気持ちいいということ。今なら10㎞前後をキロ5分台くらいで走ると心地よく感じることができる。しかし、これ以上の距離だと疲れてしまうし、キロ4分ペースを切るとハーハーしてしまうことも知っている。

ほかの走る理由としては、これ以上太らないようにカロリーを消費することと、ビールをさらにおいしく飲むためというのもある。このふたつのことを意識しているので、ビールを飲みたいときは、その前に10㎞以上走ることを自分に課している。

フリーランスという不安定な立場であるため、「健康」でいることが何より大切だ。ライター業は体力勝負の面もあるため、持久力は必要不可欠。また、退職金もないので、個人的には70歳までバリバリ仕事をしたいと思っている。だからこそ、60代まで戦えるだけの「体力」をキープするためにも走っているのだ。走ることの目標としては、速く走ることよりも、70歳までフルマラソンを完走できるだけの体力を維持することのほうが、プライオリティは高い。

何となく走り始めた人は、何となく走らなくなってしまう。それは自分が走る理由を理解していないからだ。時間があるときに走ろう、というのも悪くないが、それではランニングを継続するのは難しい。

反対に熱中するあまり、大会での順位ばかり意識して他人と競う人がいる。それもなんだか違うなと思っている(もちろん、趣味ではなく、本気でやっている方はさらに上を目指してください)。自分の努力では変えられないことを気にすることになるからだ。

何らか楽しい目的のために始めたランニングなのに、他人に負けることでストレスがたまってしまうのであればナンセンスだ。順位ではなく、タイムなど他人に影響されない目標を見つけたほうが絶対にいい。

自分は何を目指してスポーツをしているのか。秋の夜長に考えてもらえると、ハッピーなスポーツ人生を送ることができると思う。
 

酒井 政人 スポーツライター

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さかい まさと / Masato Sakai

東農大1年時に箱根駅伝10区出場。現在はスポーツライターとして陸上競技・ランニングを中心に執筆中。有限責任事業組合ゴールデンシューズの代表、ランニングクラブ〈Love Run Girls〉のGMも務めている。著書に『箱根駅伝 襷をつなぐドラマ』 (oneテーマ21) がある。

 

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