実はじわじわ広がっている「静かなる職場の分断」。「管理職になりたくない」社員が増加、その背景にあるもの

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一方、縦のつながりに壁、分断を感じている人は、全体にエンゲージメントが低下しているという結果が出ました。

係長・一般社員において上司との分断度が高い層と低い層とで比較すると、「職場が楽しい、良い職場だと思う」という項目については、分断度が高い層のほうが18.3ポイント低く、「今の仕事をこれからも続けたい」という項目も、13.4ポイント低くなりました。

上司との間が分断していると感じると、職場が楽しくなくなり、今の仕事を続けることへのモチベーションも低下する人が増えてしまうという結果です。

さらに、マネジャーにおける部下との分断度が高い層と低い層を比較すると、「今の会社でこれからも働き続けたい」という項目では、分断度が高いほうが23.0ポイント低くなり、さらに「今の仕事をこれからも続けたい」という項目も、19.4%低下するという結果になりました。

マネジャーからすると、部下との間に分断を感じている人ほど、この仕事、この会社で今の状況を続けることに疑問を持っている人が増えることがわかります。

管理職とその上司との「分断」も問題

ただ、この2つ以上に、明らかに差が出たものがありました。それはマネジャーにおける上司との分断度による違いです。

アンケート結果
(画像:『静かに分断する職場 なぜ、社員の心が離れていくのか』)

先ほどと同様に、「今の仕事をこれからも続けたい」「今の会社でこれからも働き続けたい」は分断度が高いと感じている人ほど回答が低下し、30ポイントを明らかに超える差が出ました。

また、「会社が好きだ、良い会社だと思う」も約30ポイント、「職場が楽しい、良い職場だと思う」という項目は、27.0ポイント、「仕事が面白い、充実している」という項目も23.2ポイントも低い結果が出ました。

マネジャーにとっての上司、つまり部長クラスや役員クラスとの間に分断が生まれると、仕事や職場、会社、すべての項目へのエンゲージメントが著しく低下してしまうということが見えてきたのです。

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