実はじわじわ広がっている「静かなる職場の分断」。「管理職になりたくない」社員が増加、その背景にあるもの

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日本企業が停滞している最大の原因は、ここにあるのかもしれません。

役員や部長クラスは、現場の成果と責任を問う。でも実際に起きていることまでわからない。だから、具体的な指示や支援はしない、自分から踏み込もうとはしない。

悩める管理職を放置してはいけない

一方で、管理職もうまくいかず、悩んでいることがあっても役員や部長には相談できない。自分が管理職として能力が低いと見られるのではないか、突き放されるだけではないかと思ってしまう。

役員や部長クラスと、現場の管理職との間にある静かなる分断。それが組織全体の流れを止めてしまう。抱え込み、孤立し、疲弊する管理職ばかりを生み、その人たちを見て自分は管理職になりたくないという一般社員を増やしていく

本当にこれで仕事や職場、会社への思いを持てる人を増やすことができるのでしょうか。

当然、役員や部長だけが悪いというわけではありません。犯人捜しをしたいわけでもありません。

一番の問題は、こうした見えない壁があることを放置し、本音で向き合うことを避け、結果として仕事や職場、会社へのエンゲージメントを失う人たちを増やしていくという、この状況が問題なのです。

特に、役員、部長クラスからこうした状況を客観的に理解し、向き合おうと動き出すことが求められているのではないでしょうか。

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高橋 克徳 ジェイフィール代表取締役 コンサルタント 武蔵野大学特任教授

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たかはし・かつのり / Katsunori Takahashi

1966年生まれ。一橋大学大学院修士課程終了、慶應義塾大学大学院博士課程単位取得退学。野村総合研究所、ワトソンワイアットを経て、2007年「組織感情とつながり」を機軸とするコンサルティング会社ジェイフィールを共同で設立。関係革新、仕事革新、未来革新をテーマに、互いの感情と向き合い、思いを重ね、未来に踏み出す組織づくり、リーダーづくりを支援している。2013年より東京理科大学大学院イノベーション研究科教授を兼任。ご機嫌な職場づくり運動実行委員長。組織や職場をめぐる社会課題をどう解決するかという視点で、著作・講演活動を行っている。『不機嫌な職場』(共著、講談社)は28万部を超えるベストセラーとなる。その他、著書多数。

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