実際に、仕事なんて、ソコソコでよい、仕事はお金や生活のために割り切ったほうがよいと考える人がいても、否定することができない自分もいる。仕事人間、仕事中心の生活から抜け出したい。それは多くの人たちの根底にある共通の気持ちなのだと思います。
一方で、仕事、顧客、成果への責任を負っている立場の人たちからすると、そんな気持ちで目の前の仕事だけをこなし、他の人が忙しくしていても自分には関係ないと何も声をかけずに黙って帰るような人がいると、「仕事や顧客に真剣に向き合えない人」「自分のことしか考えない人」としか見えなくなってしまう。
「向き合わない」から「気づけない」
だったらきちんと向き合って直接話をしてみたらいいのに、どう切り出せばよいのかがわからない。下手な言い方をしたら、パワハラだと思われるかもしれない。だから、そうした社員がいても、見て見ぬ振りをする、何も言わない、踏み込まない。
そうやって仕事や同僚に背を向けている社員からすると、上司も周囲も誰も何も言わない。それならそれで良いと思うし、少し後ろめたさもあるから触れられなくてよかったと思う。こうしたモヤモヤした心のやり取りが、職場のあちこちで起きていく。
確かに実際に向き合ってみると、本当に根幹の価値観が違う、向き合えないと思うことも起こるかもしれません。
それでも向き合う必要があるとすれば、向き合うことで自分の心の中にしまい込んでいる大切なことに気づけるかもしれないからです。本当は自分の中に、仕事や職場、会社とつながる、大切な思いがあることに気づけるかもしれないからです。
ジェイフィールで調査した「人・組織・コミュニティに関わるアンケート調査」の中で、こうした分断を感じている人と分断をあまり感じていない人の間で、エンゲージメントにどのような違いがあるかを調べました。
まず、同期や同世代との分断度が高い層と低い層を比較すると、係長・一般職においても、マネジャーにおいても、それ自体がエンゲージメントに大きく影響しているという結果は出てきませんでした。
部署を超える横のつながりが弱くなっていることも原因かもしれませんが、横のつながりの有無が、仕事や職場、会社とのつながりに大きく影響しているとはいえないということがわかりました。
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