マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙(The Iron Lady)--つらい経済改革と強い心と幸せ《宿輪純一のシネマ経済学》

今年の第84回アカデミー賞の主演女優賞とメークアップ賞受賞の作品。まずこのメークアップ賞はアカデミー賞の表彰式の早い段階で発表されたが、納得できた。何しろメークアップのおかげもあって、メリル・ストリープがそっくりなのである。サッチャー首相は筆者も学生時代にニュースで見ていた。その政治や経済政策、特に経済改革政策のサッチャリズムは、米国のレーガノミスクスと同様に勉強した記憶もある。

メリル・ストリープは、1949年生まれの62歳(!)。アカデミー賞では俳優として史上最多となる17回ノミネートされ、そのうち、『クレイマー、クレイマー』(79年)で助演女優賞、『ソフィーの選択』(82年)と今回の『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(2011年)で主演女優賞を受賞した。彼女の映画出演は40本を超える。その映画に打ち込む姿勢は女性版ロバート・デニーロともいう人がいるほどである。



©2011 Pathe Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute


 彼女の映画の役柄は3つに分かれると思う。(1)まじめ女性系、(2)意地悪女性系、(3)コミカル女性系で、具体的には(個人的な選択ですが)以下のように作品を分類できるのではないか。本作品はまじめ女性系に入ろうか、もっともこれが彼女の得意分野であるが。筆者は大体78年(15歳)ぐらいから映画少年となったので、もちろん彼女の映画すべてを見たが、彼女の成長とともに映画人生がある気がする。

(1)まじめ女性系:ディア・ハンター(78年)、クレイマー、クレイマー(79年)、ソフィーの選択(82年)、恋におちて(84年)、愛と哀しみの果て(85年)、マディソン郡の橋(95年)、めぐりあう時間たち(02年)

(2)意地悪女性系:シー・デビル(89年)、プラダを着た悪魔(06年)

(3)コミカル女性系:永遠に美しく…(92年)、マンマ・ミーア!(08年)、恋するベーカリー(09年)

さて、本作品であるが、英国初の女性首相として強力なリーダーシップを発揮したマーガレット・サッチャーの人間ドラマ。79年の就任以来、強気の姿勢で英国を導き経済改革を実現し経済を強化して“鉄の女”と称されたサッチャー。彼女の外側の姿と、その裏に隠された孤独な内側の姿を、年老いて認知症となったサッチャーが回顧する形で描かれる。

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