「強い職場」に共通する30代の活かし方[第3回]--30代社員が変わり、強い職場になるために
3つ目は、「定着の壁」だ。「行動してみた」で終わらせては意味がない。行動したことから意味を見いだし、自分のものにしていく必要がある。行動することが自分にとっても周囲にとっても、プラスであることを自覚することが重要なのだ。
今まで、していなかった行動を一度やってみたからといって、最初からうまくいくとは限らない。「結局、行動しても変わらない」とあきらめ感に終わらせてしまっては何も意味がない。どうすれば、うまくいくかを考え続け、行動し続けていくことで、その行動が自分のものになり、定着していく。
このように、「変わる」とは簡単なことではない。これが、「研修では人は変わらない」と言われる理由だろう。
人が変わる「3つの関わり」
人が変わるには、これらの3つの壁を越えていく必要がある。これらの壁を1人で乗り越えていくことは極めて難しい。だからさまざまな「かかわり」が必要になってくる。
まず、1つ目は「横のかかわり」だ。一言でいえば、仲間である。育成プログラムの中で気づきを得る際も、仲間から学ぶことは多い。職場で行動をする際も、仲間がいるからこそ行動できることが多い。「変わる人」と「変わらない人」の違いを見たときに、仲間との関係性が大きく関係している。お互いに信頼し、本音でコミュニケーションが取れ、相手の成長を願ってかかわっている仲間がいるとき、壁を乗り越えていける可能性が高くなる。
組織を活性化することを目的に集められたプロジェクトや委員会メンバーの場合も、横のかかわりがあることが成功要因となる。よくあるのが、これらのプロジェクトや委員会メンバーに選ばれた人が、やらされ感で活動をしているケースだ。これらの活動に参加するメンバーの意識が変わるための第一歩はメンバー同士の関係性といってもいい。「横のかかわり」である。