昭和スタイルの企業を変革した若手社長 伊勢の食堂を「年間売り上げ2500万円」「あわび串1日1500本販売」まで押し上げた”絶妙な発想”とは

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観光客が増えるゴールデンウィークには一日に1500本売れたこともあります。

しかも、屋台に置いた蒸し器で温めるだけなので調理の手間はなし。

アルバイト一人だけでお店を回せるのでコストもかかりません。

さらに屋台のカウンターは地元の大工さんに安く造ってもらいました。

その結果、最終的に一年間で2500万円ほどを売り上げました。

「あわび串」は現在も伊勢名物の食べ歩き商品として親しまれています。

思いついたらやってみる

経営を継いだばかりの私は「来店するお客様を一人でも増やしたい」と焦っていました。しかし、こちらも手探りの状況からスタートし、試行錯誤しながら進めていくしかありません。

当時の課題は「なぜ他店に行列ができて、自分の店にはできないのか」。

手始めに着手したのが、店頭のディスプレイを変えることです。

単純に「メニューの見せ方に問題があるのではないか」と思ったからです。

まずは日焼けした食品サンプルを撤去し、メニュー看板に替えました。

これで本当に効果があるかどうかもわからない。

しかし、そのときはこれくらいしかできることがなかったのです。

お金がないうちは自分で料理を撮影し、メニュー看板を手作りしていました。

プロのカメラマンに依頼できないので自分で撮影し、ホームセンターでカットしてもらった板に写真を貼り付けて、メニュー看板を作っていたのです。

それも和風にしたり、カフェ風に飾ってみたり、さらには他店を参考に黒板に手書きした文字と一緒に写真を飾ってみたりと、思いつくことはなんでも試しました。

素人なりに試行錯誤していくと、次第に撮影の腕前も上がるものです。

一年が経つころには写真もプロ並みになっていきました。

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