昭和スタイルの企業を変革した若手社長 伊勢の食堂を「年間売り上げ2500万円」「あわび串1日1500本販売」まで押し上げた”絶妙な発想”とは
会社経営も店舗運営も昭和から変わっていなかった食堂「ゑびや」で、私が実践した例を3つご紹介します。
リサーチから2500万円を稼ぎ出したアイデア
「ゑびや」の経営を引き継ぎ、昭和のままのスタイルを改善していこうと思ったものの、当時はその資金すらありませんでした。
どうすればいいかと考え、まずは軍資金を稼ごうと知恵を絞りました。
そこで思いついたのが、食堂の前に屋台を出して「あわび串」を売ることです。
なぜかというと、お客様のアンケートで「伊勢名物のあわびを食べたい」という要望が多かったからです。
とはいえ地元産のあわびは高級食材。客単価850円の食堂で高価格帯のメニューを出しても売れるとは思えません。
また、高いお金を使って仕入れる余力もありません。
何か手はないかと業者を回って相談しました。
すると、味付きの冷凍蒸しあわびを安価で扱っている会社が見つかりました。
国産ではなく外国産を使っているから安いのですが、そこに商機を見出したのです。
なぜ商機があるのか。
商売で大事なのは「なぜお客様はお金を払うのか」を考えることです。
人がお金を払って消費する動機は、次の3つのいずれかです。
あわびをあてはめてみましょう。
「名前がよく知られた食材」であり、「伊勢に行ったら勧められる」ことも多い。なおかつ「高級なので実際に食べた経験がない」(=憧れている)ため、条件に合致します。
さらに、手が届きやすい価格であわびを販売すれば、「この値段なら食べてみたい」となるのではないか。
地元産ではなくても「伊勢であわびを食べる」という体験をお客様は喜んでくれると考えました。
そこであわびを串に刺し、観光しながら手軽に食べ歩きできる商品として、一本600円で販売しました。
これが一日に100本から200本も売れる大ヒット商品になりました。
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