テスラ株主とアメリカ消費者からの反感が増大。マスク氏のDOGE就任が業績悪化を招く可能性

4月下旬、電気自動車大手テスラの取締役会が、イーロン・マスクCEOの後任となる有望な人材を探すため、人材紹介会社とコンタクトをとったとの報道がアメリカを駆け巡った。
しかしこのうわさは、翌日にはテスラのロビン・デンホルム会長による「マスク氏の引き続き事業を遂行する能力に強い信頼を寄せている」との声明とともに否定され、さらにマスク氏本人によっても否定された。またテスラ株価への影響もほとんどなかった。
ただ、テスラ株主のなかには、取締役会によるマスク氏の後任探しに期待感を示す反応を示す人も一定数いた。なぜなら、マスク氏は先の大統領選挙でドナルド・トランプ氏を強力に後押しし、新政権における大統領上級顧問のポストとともに、財政赤字を削減するというトランプ氏の公約を実現すべく設立された政府効率化省(DOGE)を任されるようになった結果、その取り組みに大半の時間を費やして、テスラの舵取りをないがしろにしてきたからだ。
悪化するテスラの印象
アメリカの電気自動車(EV)企業と市場の調査を行うElectric Vehicle Intelligence Report(EVIR)が最近発表した、全米8000人を対象としたEV購入の検討と意見に関するレポートによると、アメリカ市場におけるEVメーカーはいずれも、消費者からはポジティブな印象を持たれていることがわかった。ただこれは、1社だけネガティブな評価を受けたテスラを除いての話だった。
レポートでは、EVメーカーとして最も消費者の好感度が高いのは、意外にもホンダだった。ホンダはアメリカにおいては、GMと共同開発した「プロローグ」1車種しか販売していないにもかかわらずだ。そして、ホンダに続く上位の企業も、いずれも旧来の自動車メーカーで、Rivian(14%)、Lucid(9%)、Vinfast(2%)といったEV専業メーカーは、総じて下位に沈んだ。これはそもそも、好感度というよりは知名度の低さが反映されたためと言えそうだ。
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