中村さん自身の「職人回帰」も一因だった

中村さんは社長業をやる中で、日々の経営や書類・契約のやり取りなどに少しずつしんどさを感じるようになっていた。同時に「ラーメン職人に戻りたい」という気持ちがどんどん膨らんできていることを感じていた。
「お店や会社を大きくするだけが幸せなのかと最近は感じるようになっていました。一人のラーメン職人として現場に立ってお客さんを喜ばせたいという、ラーメン屋としての原点に帰りたくなってきたのです」(中村さん)
中村さんはいずれ、また一からのラーメン店の開業を考えている。
「私は今44歳ですが、40代がゼロイチの立ち上げができる最後のチャンスだと考えています。
これは社長業をやりながらだとなかなか難しい。チャレンジできる最後のチャンスと捉えて頑張っていきたいと思います」(中村さん)
これからの個人店は、大手でできないことをやっていかないと勝てない時代だ。
大手に限らず、インスタントや市販品の味のレベルもどんどん上がっていく中で、職人が目の前で作ってくれるという価値がより大きくなっていくだろうと中村さんは考えている。
自分の育てた大きなブランドをしっかり残しながら、中村さんは個人店の価値をさらに追求していく。

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