「人が増えれば増えるほど不安になった…」 「磯丸水産」運営企業の傘下に入った、埼玉の人気つけ麺店。M&Aを受け入れた、意外すぎる理由

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「大手の傘下に入れば、待遇やお休みの日数を含めて改善しますし、家庭を持っている人にとっては何より安心感が生まれるかなと思います。福利厚生も充実させることができるのもメリットですね」(中村さん)

実際、M&Aはされてみないと結果はわからない。現状では従業員にとってもイメージがつかめていない状態だ。

中村さんはしばらくは会社のアドバイザーとして残り、お店が軌道に乗っていくまでサポートしていく。結果、M&Aされてよかったと言えるレベルにまずは持っていくことが大事だと考えている。

狼煙
地域密着の経営を続けてきた「狼煙」。クリレス社にとっても、そこは評価ポイントだったはずだ(筆者撮影)

運営母体だけ変化、味は変わらず

現在の5店舗とセントラルキッチンはすべて継続して運営していく。スープの作り方などは何も変えずに、運営母体だけが変わるM&Aとなっている。作り方や味を変えるとお客さんを離れてしまうのでそこは特に重視した。

「クリエイト・レストランツさんとしてはうちの“地域密着”の運営を評価してくださいました。大宮・浦和エリアで店舗展開するならば、今地元に根付いている『狼煙』を仲間にしたほうがいいだろうという考え方だと思います。

クリエイト・レストランツさんが日常食を強化していく中で、ラーメンという食べ物が評価されていると聞いています」(中村さん)

クリレスHDは「つけめんTETSU」の株式会社YUNARI、2024年にはラーメン店「えびそば一幻」を手がける株式会社一幻フードカンパニーを傘下に入れており、オペレーションや店舗運営などでプラスになる部分もあるだろうと中村さんは見ている。

「古い店舗は駅から遠くて狭い物件が多いので、今後は味をキープしながら良い立地のところに出店し、もっとたくさんの人に食べてもらいたいなと思っています。

飲食店においては従業員・人が命ですので、そこが安定するのは本当に大きいと思います。これからの展開にワクワクしています」(中村さん)

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