「人が増えれば増えるほど不安になった…」 「磯丸水産」運営企業の傘下に入った、埼玉の人気つけ麺店。M&Aを受け入れた、意外すぎる理由

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「もともとはお店を増やす予定はなかったのですが、流れでお店の数が増えていった経緯があります。

独立した弟子のお店がうまくいかなくなり、そこの従業員を引き取ることになって、働く場所を作るために出店をするなどしていました。長く働いているメンバーも多かったので、従業員の給料を増やしていくためにはお店を増やして売り上げを上げていくしかないと考えたんです。

今後も店舗を増やしていきたい中で、従業員のことを考えるとここでM&Aされたほうがいいと判断しました」(中村さん)

狼煙
狼煙の外観。濃厚な豚骨魚介つけ麺が大人気になり、大宮エリアを代表するつけ麺の名店に成長した(筆者撮影)

現在は5店舗を運営しており、決してうまくいっていないわけではないが、そろそろキャパオーバーになるのではないかという不安を感じていた。

「コロナのような世界的なピンチがもう一度訪れた場合、雇用は守れるのだろうか。また、大地震が来たらどうしようと、人が増えれば増えるほど不安になるんです。

社員が15人、アルバイトも入れて40人も抱えていると、個人店としての考え方からは脱却しなくてはなりません」(中村さん)

働き方もアップデートさせることができる

狼煙
「狼煙」の濃厚な豚骨魚介つけ麺。口コミサイトでは埼玉県2位を獲得した、大宮エリアを代表するつけ麺の名店だ(筆者撮影)

若いスタッフから「もう少し休みが増やせないですか」と聞かれるようになり、処遇を改善しなくてはと考えるようにもなった。

もともと、力を尽くしてどんどん売り上げを上げていこうというマインドで、忙しくても給料を多めに払えるようにしてきたが、人が増えてくると多様な意見が出てきて、「もっと休みが欲しい」という意見が出るのも理解できるようになってきた。

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