それどころか、子どもが話す気力を失い、心を閉ざす原因にもなります。否定的な言葉は、子どもでなくても、人を枯らしていきます。否定的な発言をするよりも、どうすればいいか教えてあげればいいわけですが、そこに感情が乗ってしまうため、「否定語+否定感情」でパワーアップし、子どもを一気に枯らしていくわけです。
否定的な言葉や態度で、人が成長するのは、「雑草体質」だけです。しかもその雑草体質な子はほとんどいません。
「○○ちゃんはもっとちゃんとやってるよ」「お兄ちゃんは、こんなことで泣かなかった」
比べられた子どもは、どんどん自信を失っていくことはよく知られています。親自身も誰かと比べられて嫌だった経験がきっとあるはずです。子どもも同じです。比較は常にマイナス面に視点があるので、上記の(1)(2)と合わさって子どもを枯らしていくのです。
「家に帰るとホッとする」これは子どもにとって最も大切なことです。子どもは外でかなり頑張っています。親から離れて、自分一人で存在意義をアピールしながら、周囲との比較の嵐に揉まれながら頑張っています。その嵐から解放され、ホッと息がつけるところが、自宅です。
自宅に戻っても、「あれやれ、これやれ、ちゃんとやれ」から始まるとうんざりします。「今日はお疲れ様。まずはおやつ食べな」が、子どもがぐんぐん伸びるための初めの声かけです。
では、子どもが枯れないようにしていくにはどうすればいいでしょうか?
子どもを枯らさずに育てる4つの実践法
「もっとこうしてほしい」と願う気持ちは自然ですが、まず必要なのは、「今のあなたが大切だよ」というメッセージです。
たとえば、テストで30点を取ってきたとき、「もっと頑張りなさい」と言っても全く意味はありません。「〇〇のあたりはできているね」「見直しできたところもあるね」など、子どもなりに努力をした部分のみを伝え、できていない部分は全く触れません。触れる必要はないのです。
なぜなら、子どもは言われなくてもできない部分は見ればわかるからです。わかっている部分を親はさらに追い打ちをかけてまで言う必要はありません。触れずにいると、子どもは自発的に自分を修正していきます。しかし、親はマイナス面に触れてしまうと、いつまでも子どもは自分のマイナス面を修正しないので、注意が必要です。
成功とは、テストの点数や大会の結果だけではありません。
・朝、自分から起きられた
・妹と喧嘩しそうになったのを我慢した
こうした一見、当たり前の小さな「できた」を見逃さず、即「いいね〜」と笑顔で返すことです。1ミリでも進んだことを、全力で承認してあげる。それが次の一歩を踏み出すエネルギーになります。大きな成功や成果を褒めることをすると思いますが、そのような場面はめったに訪れません。ですから、日々の小さな成功を承認していきます。
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