「ほっこりする」「こういうの欲してた」NHKドラマ『しあわせは食べて寝て待て』に癒やされる人が続出…“火曜夜の放送”が大正解だったワケ

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第3回でおかゆは「薄味で、ゆるくて、ほっこりあたたかで」いまの自分にふさわしいと麦巻が言うように、薄味でゆるくてほっこりあたたかなドラマを自分が欲していることに、見ていて気づいた。

水曜に休める人はなかなかいないだろうから、火曜の夜、残り3日を乗り切るためにも、こんなドラマで心を整えたい。

スープにおかゆ、豆料理、梅シロップ、蒸し芋。すべてが力になる。決して豪華な食べ物ではないのに、気力が沸いてくる。料理担当は『かもめ食堂』や『深夜食堂』、朝ドラ「ごちそうさん」の飯島奈美。これは信頼度が高い。

第1回は、NHKプラスにおける視聴数が、これまでの全ドラマ(朝ドラ、大河ドラマを除く)の中で最多を記録したそうで、火曜の夜のリアタイ視聴でなくても、好きなときに見て心癒やすことにも最適だ。無理せず自分のペースで生きる物語で、追い立てられないのがいいのだ。

しあわせは食べて寝て待て
主人公が交流を深める、加賀まりこ演じる美山鈴と宮沢氷魚演じる羽白司(画像:NHK『しあわせは食べて寝て待て』公式サイトより)

焦ることはないし、できないことを受け止める

第4回で登場した言葉「ネガティブ・ケイパビリティ」が印象的だった。

団地生活も徐々に軌道に乗ってきて、隣人との関わりもいい感じで、麦巻もできる範囲で行動的になっていく。そこに「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉が登場する。

青葉乙女(田畑智子)は麦巻がパートしているデザイン会社に出入りする編集者。仕事熱心で編集者としての腕はあるが、うっかりミスが多いことを気にかけている。でも彼女は「ネガティブ・ケイパビリティ」を意識していた。

これは「事実や理由をせっかちに求めず、不確実さや不思議さを受け入れること」で、要するに何事も急がないということだ。つまり、麦巻のように体調的な要因で、週4日のパートが精一杯で、生活費的にはカツカツではあるとはいえ、焦ることはないし、できないことを受け止める。

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