”受験エリート”からコースアウトする中高生が増えている。「学校への不適応」をもたらす4つの要因とは?”規則の厳しさ”が誘発することも

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思春期 発達障害
ASDやADHDの特性を持つ子供は、勉強などについて生来高い能力を持っているものの、現在の学校の制度の中では、思春期の時期に不適応になりやすい(写真:EKAKI/PIXTA)
高学歴で知的レベルが高く、有名校や一流企業に所属している。
ところが些細なことがきっかけとなって、それまでの「人生経路」からドロップアウトしてしまう――。
精神科医の岩波明氏が対峙してきた、そうした人たちに共通していたのは、発達障害を抱えているということ。
本稿は、『高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生』より一部を抜粋しお届けします。

受験エリートたちのコースアウト

しばらく前の時代、不登校や引きこもりといった現象はどちらかというと特殊な現象で、その生徒や家庭環境に何らかの「問題」が存在するものと考えられていたように思える。実際、親によるネグレクトや家庭内暴力、あるいは経済的な問題が背景にあるケースが少なからずあったことは事実で、現在もそうした問題は以前と変わらずに存在している。

その一方で、1990年代の後半以降、不登校や引きこもりがより「一般化」するにつれて、これまでは目立たなかったパターンが認められるようになった。それは、一見したところ、「普通の家庭の普通の生徒」のケースである。

「普通の家庭」といっても、経済的には比較的豊かであり、両親の知的レベルは高く、当事者の生徒も優秀な能力を持っていることが多い。つまり明らかに質的な変化がみられ、過去には問題になることがあまりなかったような子供のケースが、最近になり目立つようになったのである。

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