「春はカスハラが増える?」悪質クレーマーの土下座要求に屈しない方法

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

たしかにクレームの発端は店員のミスです。その点についてはきちんと謝罪する必要があります。しかし、店員も人間であり、ミスをすることもあります。そのミスを謝罪し、適切な対応をしているにもかかわらず、個人攻撃をしたり、不当な要求をするのは明らかに行きすぎです。

このような相手はもはや「顧客」ではありません。「非顧客」と判断すべきか否かは、組織があらゆるリスクを考えて決定します。判断基準が明確になったら、「非顧客」に対する対応方針を決め、マニュアル化することが重要です。

そうすることで、対応者の迷いをなくしてあげるのです。カスハラ対策における上層部や管理職のすべきことは、カスハラ対策の環境作りと、現場対応者の迷いをなくしてあげることです。

カスハラ対策の本質

カスハラ対策の目的は、「従業員を守る」ことです。カスハラ対策マニュアルというのは、カスハラ対策の方針や、カスハラの定義づけも大事ですが、何より大事なのは、現場でカスハラに遭遇する人たちを守るための環境作り、対応を迷わないための、具体的な対応法を上層部が決めてあげることです。

カスハラ、悪意クレームなど ハードクレームから従業員・組織を守る本
『カスハラ、悪意クレームなど ハードクレームから従業員・組織を守る本』(あさ出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

カスハラ対策はネガティブなイメージを持たれがちですが、経営トップ、上層部、管理職が現場に即したカスハラ対策を行えば、次のような好循環が生まれます。

・現場の対応力が向上する
・組織としての団結力が生まれる
・従業員の間に助け合いの精神や責任感が育まれる
・良いチームワークが生まれる
・休職率・退職率が低下し、生産性が向上する
・従業員満足度が向上する

カスハラ対策をきちんと実施すると、良いこと尽くめなのです。2023年4月から東京都で「カスハラ防止条例」が施行されました。カスハラが増える季節でもあるため、ぜひこの機会にカスハラ対策に取り組んでいただければと思います。

津田 卓也 クレーム研修担当講師/Cube Roots代表

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

つだ たくや / Takuya Tsuda

1995年ブックオフコーポレーション入社、1997年店長に就任。東京エリア・マネジャーとして前年対比売上150%を達成し、年間MVPを受賞するなど数多くの表彰を受ける。その当時、自らが過去にクレームでの監禁、軟禁をはじめ様々なクレームを経験。2005年(株)Cube Roots設立。自身の経験に基づき行うクレーム研修は完成度が高く、「現場の事情をよくわかっている」と、受講生の高い共感を呼んでいる。日本全国で年間200回以上の研修を実施し、クライアントからのリピート指名率は100%。受講生の数は述べ数万人に及ぶ。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事