「どうしてそんな意地悪をするの!」婚約指輪に隠された女性客の闇…苦情・クレーム対応アドバイザーが見た一部始終【前編】

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カスハラに対して実際の現場では、どのようなやりとりが有効なのでしょうか(イラスト:twomoons/PIXTA)
今年4月から、カスハラ条例が東京都や北海道などで施行されました。条例では、事業者などの責務としてカスハラを防ぐための対応をすることが定められています。
しかし「世間を騒がせているわりに、カスハラの実態はあきらかになっていない」と、苦情・クレーム対応アドバイザーの関根眞一さんは指摘します。実際の現場では、どのようなやりとりが有効なのでしょうか。関根さんの著書『カスハラの正体-完全版 となりのクレーマー』から、一部抜粋・編集してお届けします。
※本稿は前後編の前編です(後編はこちらをご覧ください)。

異様な光景

ご結婚を控えた女性は美しいものです。この話に登場する20歳代の女性もその1人でした。この人、Aさんは官庁宿舎にお住まいの方です。

それは、婚約指輪を買うところから始まりました。商品は婚約用のペアリングです。Aさんは、以前からご贔屓(ひいき)のお客様で、店舗にも時々お見えになっていました。

その日は、うれしそうに婚約者同伴です。寄り添うように商品を選び、お2人の意見が一致するのにそう時間はかかりませんでした。それぞれの指輪にはイニシャルを入れることにして、できあがり日を記入したお誂(あつら)え伝票を、お持ち帰りいただきました。

そのさいも担当した社員に向かって、2人のなれそめや今後の計画を楽しく雑談して、お帰りになりました。

1週間ほど経ってから、Aさんに連絡を入れました。

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