石破首相の「肝いり」である【地方創生銘柄】は不発…みずほ銀行が示した、今後5年間"需要が伸びる"業種
ただし大企業は世の中の悪評を恐れて、整理解雇を行うことがほとんどなく、人員削減はほとんどの場合、割増退職金による希望退職者募集で行われます。
たとえば、第一生命HDは2025年1月から、50歳以上で勤務期間が15年以上の社員等を対象に、1000人の早期希望退職者の募集を始めました。退職金に加えて、基本給の最大48カ月分の支援金を支払い、再就職も支援するとしました。
解雇が容易な米国ではコロナ禍期に失業率が一時15%に急上昇しましたが、その後の景気回復局面で、労働者が旧来産業から成長産業に移り、産業競争力が一層強まりました。
一方、解雇がむずかしく、労働移動が少ない日本では旧来産業に優秀な人材が埋没していることが産業の新陳代謝を遅らせています。
日本の企業経営者は外国人投資家からリストラや事業ポートフォリオの見直し等を求められたときに、社員を解雇・異動させることが容易でないことを、やらない理由に挙げることが少なくありません。
外国人投資家から労働市場の改革を求める声が長年続きながら、なかなか実施されないことが、外国人投資家を日本株投資から遠ざける要因になっています。
「日本産業の中期見通し」に基づくセクター判断
みずほ銀行産業調査部は2024年12月に、「日本産業の中期見通し-向こう5年(2025-2029年)の需要動向と求められる事業戦略-」という100ページにおよぶレポートをリリースしました。
人口減少等を背景に、電子部品、石油、化学、鉄鋼、非鉄金属、自動車、住宅、物流などで国内需要が減少すると予想されています。
物流では宅配便個数が年率+0.7%で増えるものの、国内トラック輸送量は同▲1.2%で減ると予想しています。2024年はC&FロジHDを巡って買収合戦が起きましたが、みずほ銀行は物流業界が、人手不足が深刻化する一方、輸送量の減少が進むため、プレーヤーの協調、集約・淘汰の動きが出てくると予想しています。
データセンター向けなど電力需要の増加期待は強いですが、みずほ銀行は国内電力需要の年平均伸び率が+0.7%とそれほど高い伸びを予想しているわけではありません。
新規住宅着工戸数は2023年82万戸→2029年75.5万戸と減りますが、三大都市のオフィス床需要は同期間に1060万坪→1130万坪、名目建設投資額は71兆円→75兆円と好調に推移する見通しです。ストックの増加を背景とした建築補修の増加等が予想されるためです。

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