
「ルルとララ」シリーズが今年20周年になるのに合わせ、あんびるさんの記事を4回にわたって掲載しています。
2回目:累計380万部、20年続く児童書「なんでも魔女商会」「ルルとララ」ができるまで。子どもたちを夢中にさせる児童書とは?
3回目:本記事
4回目:「もしルルとララが新宿でスナックを始めたら?」、作者・あんびるやすこさんが妄想する「大人になった」主人公の物語
失敗やつらさを体験することは"伸びしろ"
私がはじめて書いた児童書は、「なんでも魔女商会」です。手芸を切り口に、子どもたちに読了してもらえるものを作りたいと思って書いたものです。
子どもに興味を持ち続けてもらうには、登場人物に共感できることが重要です。たとえば何か失敗をしたり、友達をつくるのがうまくいかなかったり、何かしらの苦手意識は誰にでもあるもの。
子どもたちが“自分もそうだな”と感じられるテーマを選んでいます。実際に感じているであろうその失敗や辛さ、モヤモヤと言葉にできないような気持ちこそが、実は成長の伸びしろになっていくと思うんです。
親から「~しなさい」と言われて従うのではなく、自分自身で苦手に対する見方を変えられるのが一番いいですよね。
作中では困難を乗り越えて成長するエピソードを描いていますが、不自然で無理やり感があるものでないように気を付けています。ストーリーの中でだんだんと主人公たちの気持ちが変わっていかないと、読者は心から共感できないし、同じように成長ができないんです。
物語を最後まで読んでもらうことも、大切にしていることです。読了することで、伝えたかったテーマを受け取ることができます。
好きな本に何冊も出会えれば、本を読む習慣が生まれてきます。もちろん、小学生でよく本を読んだからといって、中学に行ってもずっと読んでいるとは限りません。
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