横浜・野毛が「IZAKAYAの聖地」「バーホッパーの楽園」となった仰天の経緯、仕掛け人と歩いてわかった「飲みベ表明バンド」が海外でウケた理由
「#今夜のリストバンド」は、横浜・野毛の居酒屋・バーでのコミュニケーションアイテムとして小林さんが企画・制作したものだ。信号機のように赤・黄・青で色分けされており、それぞれ次のようなサインが記されている。
黄:「教えてほしい」のサイン(「おすすめ教えてください」「この街をもっと知りたい」)
青:「積極的に交流したい」のサイン(「楽しくお話ししたいです」「一緒に乾杯いかがですか」)

「#今夜のリストバンド」には赤・黄・青の色ごとに計6種類の「飲みベ」メッセージが書かれている(画像提供:トランサムノット)
立ち飲み屋やバーなどでは、見知らぬ人同士がカウンターで隣り合わせになったり、テーブルを共にしたりするシチュエーションがよくある。そんなときの「飲みベ」をカジュアルに意思表示できたら――。そんなアイデアを形にしたのが「#今夜のリストバンド」だ。4月3日にリリースし、SNSでも発信したところ、真っ先に反応したのは「海の向こう」だった。
4月7日、ポップカルチャーを中心に発信するニュースメディア「VICE」が「パブで話しかける人を誘う(または近寄らないように警告する)リストバンド」のタイトルでピックアップ。ほかにも複数の海外メディアで取り上げられ、冒頭のとおり4月10日の「The View」でも放映されたのだ。
以来、小林さんの管理するSNSアカウントには、世界各国から「リストバンドのコンセプトが気に入った!」「どうすればゲットできるの?」とリクエストが殺到している。「まったくの想定外でした」と小林さんは頭をかきながら、ニッコリと笑った。

海外から寄せられた「#今夜のリストバンド」へのメッセージ(画像:Instagram「#野毛で会いましょう」より)
600店以上がひしめき合う“飲んべえの聖地”
横浜・野毛。桜木町駅(JR・横浜市営地下鉄)から日ノ出町駅(京浜急行)の両駅間を中心とするエリアに、600軒以上ともいわれる飲食店がひしめき合う、国内屈指の飲み屋街だ。
大通りから路地裏まで、個性あふれる個人経営の居酒屋やバーが立ち並ぶ。10席に満たないこぢんまりした店舗も多く、必然的に隣り合わせた人との距離が近くなる。居合わせた人同士で意気投合し、次のお店に連れ立つ光景も珍しくない。
「店内に一歩入れば、肩書や年齢に関係なく、フラットにコミュニケーションがとれる。それが、野毛という街ならではの魅力です。銀座や赤坂だと、こうはいきませんからね」(小林さん)
無料会員登録はこちら
ログインはこちら