「女性が若さでチヤホヤされるのは日本だけ?」欧州女性のシビアな職業選択に見る日本との差異
ドイツの親は子供の性別を問わず、経済的に自立できるように教育をするというのがスタンダードです。数年前、筆者がドイツ人の友達の家族と旅行をした時のことです。
当時5歳だった娘が父親に「パパ、大人になったら、ケーキをいっぱい作ってケーキ屋さんになる! ケーキ屋さんで働きたい!」と言うと、父親はすかさず「ケーキ屋さん、いいね! 将来は大学で実践経済学を専攻すれば、その後たくさんのケーキ屋さんを経営できるよ!」と返事していて、笑ってしまいました。
でもこの父親の返答は、娘に人生における大事なことを教えている気がしました。娘を否定することなく、しかし、より経済的に余裕のある生活を目指せるように、やんわりと話を「経営」のほうに持っていったのでした。娘は「わーい、ケーキ屋さんがいっぱいあったら、色んなお店で色んなケーキが作れる」と喜んでいました。
ドイツを含むヨーロッパの国々は、「経済的に男性に頼る女性」に対して厳しい目が向けられる社会です。必然的に親は女の子にも「一生稼げる仕事」を薦めます。「一生稼げる仕事」とは「若さや容姿に頼らず定年までフルタイムで続けられる仕事」のことです。
シンデレラの話を親が作り変える理由
娘に「自分の未来は自分で決める」という強い意志を持ってもらうために、童話のストーリーに小細工をする親もいます。
筆者の知人のスイス人夫婦は子供に「シンデレラ」を読み聞かせる際、「シンデレラの足のサイズが靴とピッタリ合ったから、シンデレラは王子様と結婚できました」という部分を、次のように親の判断で変えてしまいました。
「シンデレラは仕事をがんばりました。そして、仕事で知り合った王子様と仲良くなり結婚しました」
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