苦しい抗がん剤治療を受けた意味はあったのか、あの子は幸せだったのか…リンパ腫を患った愛犬の死。その体が飼い主に教えてくれた「本当のこと」

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がん闘病中に死んだ愛犬の死の真相とは……(写真:HIME&HINA/PIXTA)
飼っている動物が病気になったら、動物病院に連れていきますよね。動物病院には外科、内科、眼科など、さまざまな専門領域の獣医師がいますが、獣医病理医という獣医師がいることを知っていますか?
この記事では、獣医病理医の中村進一氏がこれまでさまざまな動物の病気や死と向き合ってきた中で、印象的だったエピソードをご紹介します。
病理解剖は、物言わぬ動物たちの遺体から「メッセージ」を読み取る行為です。病理解剖を行うことで、必ずしもすべてではありませんが、その動物が死に至るまでの経緯や、病気とどのように闘ってきたかを知ることができます。

この子の体の中で何が起きていたのか

12歳のミニチュアダックスフンドの遺体を僕のところに持ってこられた飼い主さんは、「私たちが頑張って続けてきた治療には意味があったのでしょうか?」「この子の体の中で本当は何が起きていたのかを知りたいんです」。そう、おっしゃっていました。

亡くなったミニチュアダックスは、動物病院でリンパ腫(白血球の一種であるリンパ球ががん化する、血液のがん)と診断され、約1年間、週に一度のペースで動物病院に通って、抗がん剤治療を続けていたといいます。

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