ファッションのカリスマ、動画パワーを語る

動画サービス「C CHANNEL」の未来<3>

軍地彩弓(ぐんじ さゆみ)/1964年、茨城県生まれ。中央大学在学中から講談社でライターを始める。卒業後『ViVi』のライターとして数々の流行を生み出す。2003年『GLAMOUROUS』の創刊に加わり、ファッションディレクターに就任。『VOGUE girl』クリエイティブディレクターを経て、現在は『Numero TOKYO』のエディトリアル・ディレクター、自身の会社「gumi-gumi」の代表取締役も務める

──C CHANNELと雑誌の違いは?

物を伝える手段としての女性誌に四半世紀以上、携わってきました。ここ10年くらいの間にデジタル化の波が来て、同時にメディアのコミュニケーションがマスから個に移ってきたと感じています。さらに今は、個から個へのコミュニケーションに移行している時期です。

その一方でプロ不在にもなってきており、ここ数年は誰もがメディア発信者、情報発信者になれてしまう。プロが入っていた時代はモデルを綺麗に撮って、モデルのスタイリングをユーザーがまねる時代がありましたが、それだけでは、今は通用しません。

その後、『ViVi』や『JJ』といった雑誌が読者モデルを登場させた。スタイルがいいモデルのカワイコちゃんよりも、目標になるリアルな女の子が着ているほうがいいという風に転換してきたのが2000年代です。さらにいまは、「WEAR」というサイトに個人が自分をスナップしてコーディネートを載せ、一般人がスター化するようなことも起きています。

手の中にメディアが入ってくる時代

個が発信者になる時代において、ツールも紙からデジタル、スマホと移行して、手の中にメディアが入ってくる時代になりました。しかもカメラで投稿するのではなく、スマホを手に現地で撮ったものが発信できる。これが雑誌だと、撮影して発売までに1カ月半のタイムラグが生まれてしまうのに、そのタイムラグがないわけです。

スマホの情報発信には未来性があるので、そこに流れていくのはまちがいありません。ここ数年で、スマホでインスタグラムに投稿することが人気になりました。インスタグラムは写真を加工できるのが優位性になっていると思います。

このトレンドを動画にどう変換するか。自分が今までやってきたなかでいうと、『VOGUE girl』では紙に加えてアプリも同時配信を始めました。そこには動画を埋め込んで、ビハインド・ザ・シーンといわれていた部分を見せるようにしました。静止画では見せられない、ジャケットが揺れるところや、スカートがフワッとするところを表現できるわけです。

そういう経緯から、埋め込み動画を入れたとき、服の表現としての動画が大事になることを確信しました。それが2011年のこと。でも時間と経費の問題があった。1回の動画撮影で約30万円の経費がかかってしまう。ところが、インスタグラムもあり、アマがプロになる時代。スマホからスマホに直で情報を発信する時代になり、ようやくトレンドが動画に流れてきた実感があります。

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