発売直前Pixel 9a実機レビュー、カメラの出っ張りを抑えたデザイン刷新と上位モデル同等のAI機能を徹底検証
カメラが薄いからと言っても、画質は優秀だ。Pixelは、AIによる画像処理で画質を高めるコンピュテーショナルフォトグラフィーの先駆けになったシリーズなだけに、暗所でも画像の破綻やノイズが少なく、キレイな写真に仕上がる。8倍ズームも補正がしっかり効いて、ディスプレイで見るには十分なクオリティだ。
また、Pixel 9aは新たに広角カメラでのマクロ撮影に対応した。草木や食事などに近寄って撮影したいときに、重宝する機能。マクロ撮影は、超広角カメラを使うスマホが多く、画質が低下してしまうのが課題だったが、Pixel 9aはそれがないのがうれしい。ただし、マクロになっていることを示すのが画面端の花のマークだけで、少々わかりづらい。こうしたユーザーインターフェイスには改善の余地があると感じた。

上位モデルを受け継ぐ高い性能、AI機能もほぼ踏襲
Pixel Aシリーズは、上位モデルと同じチップセットを搭載しているため、価格はミッドレンジ上位だが、性能は高い。Androidの開発元であるグーグルが手がけるスマホなだけに、操作感もいい。タッチ操作への追従性の高さや、レスポンスのよさは、スマホの中でもトップクラス。非常に気持ちよく操作できる。
発売前の端末のため、ベンチマークアプリなどで性能を見ることはできなかったが、チップセットのCPUやGPUなどは、上位モデルとまったく同じだという。Pixel 9シリーズでもっとも安い「Pixel 9」が12万8900円であることを考えると、7万9900円からのPixel 9aは非常にコストパフォーマンスが高い端末だ。
この処理能力の高さを生かし、AIを活用したさまざまな機能を利用できるのもPixel 9aの特徴だ。Pixelシリーズの文字起こしの精度の高さはスマホの中でもっとも優秀と言っていい。
ちなみに、リアルタイムかつ端末上の処理だけで完結する文字起こしができる端末は、現状Pixelシリーズだけ。文字起こし機能に対応したボイスレコーダーを備える機種は増えているが、録音後の後処理だったり、リアルタイムでもネット接続が必要になる。前者は、Galaxyのハイエンドモデルに採用されるGalaxy AIだが、ひと手間必要なうえに、その場で話された内容を確認できない。

Xiaomi 15シリーズはリアルタイムだが音声データがクラウドで処理されているため、こちらはこちらで機密情報を扱いづらい。また、海外や電波が悪い場所でデータ通信を使用したくない/使用できない場所だと、文字起こしができない。端末内で処理を行い、かつリアルタイムなのはPixelシリーズの強みだ。Pixel 9aも、この強みをしっかり受け継いでいる。
もちろん、生成AIで写真を編集する「編集マジック」や、通話着信時にAIが代わりに受け答えしてくれる「通話スクリーニング」といった基本機能にも対応。グーグルのAIチャットであるGeminiも搭載されており、カレンダーに予定を登録してもらったり、周辺のレストラン情報を調べてメモアプリの「Keep」に登録してもらったりもできる。
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