年に数日しか営業しないJR「臨時駅」を訪れてみた バルーンさが、津島ノ宮など全国に約15カ所ある

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最初に臨時駅を認識したのは大糸線で列車に乗車しているときだった。拙著『おんな鉄道ひとり旅』第2巻にも描いたが、駅弁を食べながら流れゆく車窓を眺めていたら、ふと駅名標が目についた。しかし各駅停車にもかかわらず、列車は停まらず、その駅を通り過ぎてしまった。

気になって、後日その駅まで行ってみたのが「ヤナバスキー場前(臨)」駅だった。そこで臨時駅の存在を初めて知る。ここは駅名に臨時の(臨)と入っているが、臨時駅は必ずしもこの表示が入っているわけではないらしい。

「ヤナバスキー場前(臨)」駅は2019年3月に廃止となってしまった(筆者撮影)

年に2日だけ営業する「津島ノ宮」駅

そこから臨時駅というものに興味を持ち、調べてみた。すると私が鉄道好きになるもっと前に何度か使用したことがある駅、「ガーラ湯沢駅」(大学時代にスキー映画が流行り、ブームだった)や「鹿島サッカースタジアム駅」(Jリーグ発足後、しばらく鹿島アントラーズファンだった)などが臨時駅だったことがわかった。私が行くときは開いていたから、普段閉まっている駅だとは知る由もなかった。

普段は何もない場所に「津島ノ宮」駅の改札口が設置される(撮影:坪内政美)

臨時駅と認識して、まず行ってみたのが、日本で一番営業時間が短い駅、JR四国・予讃線の「津島ノ宮」駅だった。毎年8月4、5日の津嶋神社のお祭りのため、2日間のみ開く、海沿いにある臨時駅だ。

津嶋神社は、海を隔てた250m先の島にあり、この2日間だけ島まで橋がかけられ、渡ることができる。子供の健康と成長を願う神様の神社なので、橋には子供連れの方々がずらりと並んでいた。

津嶋神社への橋に2日間だけ木の板が敷き詰められる(撮影:坪内政美)

津島ノ宮駅はホームと地面の境目がはっきりしないので、線路がなければ駅に見えない。普段、物置として使われている駅前の小屋は、このときばかりは駅舎となる。

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