【元教師が激白】「偏差値」の時代はもう終わり?“入試の新常識”とは。知らないと子どもが損をする「偏差値・入試・就活」のリアル
学校と塾は、同じように授業をしたり、同じように三者面談・進路指導をしたりしているのですが、実は目指している方向性、指導方針はまったく違うのです。
いい大学を出ても、必ずしもいい企業には就職できない
ところが塾だけでなく、保護者も「偏差値」に大きな関心を寄せています。
子どもが生まれた時には「健康で生きてさえいてくれればそれだけで十分」と思っていたはずなのに、いつの間にか「できれば勉強できてほしい、できればいい(偏差値の高い)高校や大学に行ってほしい」などと考えるようになっているのです。
偏差値の高い普通高校から、なるべくいい大学に進めば、大企業に就職できる。そうしたら将来安泰、という考えです。
でも、その考えはもう古いです。
大企業に就職するかどうかはさておき、まず、いい大学=偏差値の高い有名大学に行っておけば、進路の可能性が広がるのか? という話です。
実は現在、高卒の求人倍率のほうが、大卒よりも高くなっているのです。
高卒の求人倍率は3.52倍と、過去最高を記録(厚生労働省「令和5年度『高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況』取りまとめ(7月末現在)」)。
それに対して、大卒・大学院卒の求人倍率は1.75倍(リクルートワークス研究所「第41回ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)」)。なんと高卒の約半分以下なのです。
高校生1人に対して3社以上が「うちに来てくれ」と言っているのに、大学生にはその半分ぐらいしか声がかからないことになります。つまり、今は有名大卒よりも高卒のほうが、就職先がたくさんあるという状況なんですね。
しかし、こういう話をすると、「求人倍率が高いといっても、企業のランクはどうなのかしら?」などと考える人もいるでしょう。ところが、実は最近では(特に大企業ほど)採用面接の際に「出身大学」を問わないところが増えています。中には履歴書に、大学名を書く欄がない企業もあるくらいです。
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