【元教師が激白】「偏差値」の時代はもう終わり?“入試の新常識”とは。知らないと子どもが損をする「偏差値・入試・就活」のリアル
学校の授業は受験対策・偏差値対策ではありません。教育基本法や学習指導要領に基づいて、未来を担う子どもたちに必要な力をつけること。それが学校教育の目的です。
学校と塾では方向性、指導方針がまったく違う
つまり中学校では、模試で高い点数を取ろうとか、少しでも偏差値の高い学校に生徒を押し込もうなんて、そもそも微塵も目指していないのです。
今の中学校の進路指導の基本は偏差値ではなく、生徒の将来の夢ややりたいことから逆算して、進学先を選ぶことです。
たとえば将来ゲーム関係の仕事に就きたいという子がいたら、じゃあ情報科でプログラミングを学べるこの高校がいいんじゃないか? とか、大学進学まで視野に入れているなら、理系の普通高校に行って、そこから情報工学科などがある大学に進むのがいいのではないか? という風に、生徒の思いや希望を出発点にして、進路を考えていきます。
一方、塾などの受験産業は、たとえば生徒の偏差値が56なら、偏差値55から60ぐらいの学校から興味のありそうな学校を選ぼう、という発想です。滑り止めとして偏差値55ぐらいの高校を受けておきつつ、偏差値60ぐらいのところにチャレンジできるように勉強していこう、というあくまでも「少しでも偏差値の高い学校に合格するため」のテクニックを教えていくわけです。
そもそも学校では『滑り止め』なんて言葉も絶対に使いません。「滑り止め」なんて平気で言うような人は、教育者ではなくただの点取らせ屋だと私は思います。そこを第一志望で受けている生徒や、その学校の生徒、先生方に失礼だと気づかないのでしょうか?
ただもちろん、実際に志望校に合格できるかどうか? というのは現実問題として出てきます。いくら熱心に進路指導しても、合格できなければ元も子もないので……。
だから、過去の合格実績や、成績、学力テストの結果を基にして、「ちょっとここの学校に合格するのは厳しいよ?」などと、現実的なアドバイスは、学校でも当然します。
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