「バズる」=「お金が稼げる」。一方で“リスク”や”弊害”を理解していますか?有名になることには覚悟がいる

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それに昨今では、SNS自体が闇バイトの勧誘手段にもなっている。勧誘文句を見ても、普通のバイトと変わらない。それは変わらないように書かれているのだから当たり前であるが、いざ銀行口座の情報や身分証を出したところで、それらを預かられたまま人質に取られ、犯罪行為を強要される。

彼らはそうなるまで、闇バイトに応募しようなんて気は一切なかった善良な市民なのだ。だが、身分証を奪われた状態で、時には家族に危害を及ぼすと脅され、犯罪行為を強要されたら、あなたはどうするだろうか。そのような極限状況においては、家族を守るために犯行に及んでしまう人だって、いてもおかしくはない。

誹謗中傷の問題

他にも、有名になることには誹謗中傷の問題もある。

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本当に度し難いのだが、有名人には匿名で悪口を言ってもいいと考えている人が世の中には多すぎる。そのときに感情を動かされる度合いというのは人によって違うが、恋愛リアリティーショーの出演者が誹謗中傷にさらされ、自ら死を選んだとみられる痛ましい事件もあった。

強盗する方が悪いし、誹謗中傷をする方が悪いのはもちろんである。だが、後で誰かが裁かれようと、現に被害を受けるのは自分なわけで、そのリスクは織り込んだうえで行動しなければならない。

最後に、多くの人には、リアルな社会的つながりがあるだろう。あなたが有名になったことで、あなた自身は安全を確保できたとしても、逆恨みの対象が家族や友人に向かないとも限らない。注目は通貨であると同時に、危険を引き寄せる可能性も秘めている。

山田 尚史 マネックスグループ取締役兼執行役

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やまだ なおふみ / Naofumi Yamada

神奈川県横浜市出身。1989年生まれ。開成中学校・高等学校を卒業後、東京大学理科一類から工学部に進学、松尾研究室でAI技術を学ぶ。2011年、ソシデア知的財産事務所に入所。2012年、株式会社AppReSearch(現PKSHA Technology)を設立し、同社代表取締役に就任。21年6月よりマネックスグループ取締役、2022年4月より同社取締役兼執行役。24年1月 に「第22回『このミステリーがすごい!』大賞」大賞を『ファラオの密室』(宝島社)で受賞

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