「通してほしいニャー」「充電してニャー」すかいらーくのネコ型配膳ロボット”BellaBot”導入でわかった驚きの高パフォーマンス

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この段階で定量的データとして、顧客満足度は8割、シニアスタッフへの歩行負荷の低減などが確認されているのです。また、グループ内のしゃぶしゃぶ屋の「しゃぶ葉」では、店員とロボットの配膳の使い分けといった、ロボットの効果的な使い方に関する知見が蓄積されていることも示されています。

そして、2022年2月には最終的に「2149店舗に3000台の導入」を目指すことが発表されました。これは、ランチピーク時の顧客回転率の改善、歩行数の削減、片付け時間短縮についてのエビデンスにもとづいた意思決定でした。

一方で、日本で培ったノウハウを海外の店舗に向けても展開していることが紹介されており、中国製のロボットを日本で使い倒し、それを逆に海外に展開するという新しい流れが起きていることが示唆されているのです。

この意思決定のスピードは日本企業としては凄まじいものがあります。

意思決定のスピードだけではなく、実行のスピードも驚異的です。2021年10月の「導入します!」という宣言から翌年1月までの3カ月で340台、5月には883店舗1257台、10月には2654台の導入が進んでいます。

また、すでに導入されている店舗でも上げ膳だけではなく、食器を返却する下げ膳での実験を開始したことが発表されており、1回の導入で満足することなく「どうしたら改善ができるのか」を日々オペレーションのなかで挑戦していることがわかります。

そして最終的に2022年12月に全国約2100店舗約3000台のロボット導入の完了が発表されました。しかも、日々の運用の改善もあってか、顧客満足度は当初の8割から9割に改善されたのです。

効果的なロボット導入のために大切なこと

この事例から学ぶべきポイントは大きく3つあると考えられます。

1つ目は、経営層のDX戦略へのコミットメントと、それにもとづいた圧倒的なスピード推進です。

ネコ型ロボットの導入が注目されますが、すかいらーくグループでは2022年度約70億円のDX投資をしています。これにはロボット以外にもPOSの刷新、キャッシュレスレジの導入、デジタルメニューブックの刷新などが含まれています。

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